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「エフォートレス思考」読了メモ 【私の本棚】

「エフォートレス」を直訳すれば「無努力」となりますが、
実際の意味は「不必要な努力をしない」というものです。

本書は、以前の私の記事で取り上げた「エッセンシャル思考」の続編。

帯にもありますが、エッセンシャル思考が「何をやるかを見極める技術」なのに対し、エフォートレス思考は「どのようにやるかを極める技術」として掲げられています。
両方読めば「何を、どのようにやればよいか」がわかるということになるので、基本的にはどちらも読む前提と捉えて良いでしょう。現に、前作で登場した企業の話が出たりするので、個人的にもエッセンシャル思考を読んでからこちらを読むことをオススメします。

この記事では、本の良いところや、読んで感じたことなどをまとめます。
最後まで読んでいただけると、とても嬉しいです。

1.概要

個人的な印象としては、「負担の軽減を極めるための本」というところ。
前作のエッセンシャル思考と比べてToDoが明確に書かれており、とても実践的に感じられました。
以下の3つのパートに分かれており、それぞれ違う観点から、不必要な努力による体や心の負担の取り除き方がまとめられています。

1.エフォートレスな精神
(努力や休息に対する考え方、マインドフルネス等)
2.エフォートレスな行動
(プロジェクトや企画などの始め方、続け方)
3.エフォートレスのしくみ化
(無理なく続けるための工夫)

この本の内容をフル活用するならば、
1.でエフォートレスのなんたるかを学び、2.で1.の実践をし、
3.で2.を継続させるための工夫を会得する、

という流れになりそうです。

前作の記事では「最近の実用書で取り上げられている要素をギュッと凝縮した一冊」と書きましたが、本書も同じ印象でした。この2冊さえ読めばかなりの情報をカバーできると思うので、普段実用書を読まない人ほどオススメしたいです。

2.良いところ

考え方についての情報が充実している

本書は実用書の中でも「作業効率化」をテーマとしている部類ですが、その中ではかなり「考え方」についての記述が多くあり、且つ上手くまとめられているように感じました。上記で触れた3つのパートのうちの「1.エフォートレスな精神」がそれに当たります。

同じタイプの本だと、本書の2.や3.のような、実践にまつわる内容に絞られたものがよくあります。良いことが書いてある反面、気持ちがついていかず行動に移しづらく感じていたのですが、本書ではそもそもの考え方からある程度の指標を示してくれており、またそれがとてもわかりやすいので、日々の生活に取り入れてみようという意欲が湧きました。

特に面白かったのが、感情についての話。本書では怒りや悲しみなどの感情を「自分が雇用している」ものであると位置づけ、それについて細かく言及されています。

怒りの感情を雇用する目的は、たとえば満たされないニーズを満たすためだ。すっきりしない気持ちを、怒りが解決してくれるのではないかと期待する。
ところが、業績を評価してみると、怒りはあまりよい仕事をしていないことに気づく。リソースを食うばかりで、投資に見合った効果が得られないのだ。その場合、怒りを解雇したほうがいい。

第3章 RELEASE 頭の中の不用品を手放す より

怒りの感情を、雇用しているものという極めて距離を取った個別の存在と捉え、それを使いそうになってしまったら解雇(自分から切り離す)するようにしてしまう、と考えるのです。私も実践してみましたが、「沈めなければ…」と考えるよりよっぽど楽でした。

3.私の「エフォートレス思考」

私は音楽制作やデザイン等、様々なジャンルのクリエイティブを独学で習得して活動していますが、最近のこだわりは特に「無理をしない」ということです。

例えば、1時間の作業時間があるとするなら、作業は50〜55分くらいにとどめて、残りは余暇にしてしまったり。あとは、集中力が若干削がれることは想定の上で、作業中はBGMや動画を流したり。

あくまで、自分が快適にできるという前提で取り組んでいます。可能な限りの時間を使い尽くしたり、静寂の中ガッツリ集中すればもう少し捗ることもあるでしょうが、楽しい創作の時間に「息が詰まる」思いをしたくないので、全体的に若干甘めにルールを設けています。

ただ、その中、その状況下においてはフルで集中するように心がけているので、今のところは「あの時のあれがなければ…」みたいな後悔はしていません。

一方、今のところの課題は「しくみ化」にあると思っています。デザインも音楽もある程度テンプレートを作っているので、まぁまぁしくみができているような気もしますが、もうちょっと効率よくできないかな?と模索中。もっともっとエフォートレスになればもっともっといろいろなことができそうな気がします。
ひとまずざっくり読んだだけですが、またじっくり読み返して、しっかりした知識として定着できるようにしたいです。

Shino





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