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【仕事術】もう「わからないことを訊く」時代じゃない

新入社員を迎える季節になりました。
右も左もわらかない新人に対し、やさしい先輩はこう言います。

「わからないがあったら、何でも遠慮なく訊いてくれ」と。

しかし、この先輩のやさしさは、むしろ後輩の成長を妨げるかもしれません。

「訊く」のは2世代前のやり方

昔は「わからないことがあったら訊く」で良かったんです。
でも、情報化社会が進み、仕事では一人一台のPCが支給され、スマホを持ち歩いている現代では、「わからないことは、まず調べる」ことが当たり前です。

やたら質問してくる新人には「訊く前に、自分で調べたの?」と突っ込むくらいが丁度いいです。

でも、「訊く前に調べる」ことも、昔のやり方になりつつあります。

今は「考えることを重視する」時代

ネットで調べることが簡単になると、ネット上のコピペで済ませる行為が見られるようになりました。ラクですからね。

自ら考えて出した答えではないので、調べた内容について理解しておらず、質問しても答えらないケースはよくあります。

一方、新人に調べさせた側もバカではありません。
調べることが簡単ということは「調べた結果を調べる」ことも簡単です。
だから、コピペで済ませたことは簡単にバレます。
ちょっと考えればわかることですが、考えていないから気がつかないのでしょう。

この問題は今も続いています。これからも続くでしょう。

だから、最近は「調べる」ことよりも「考える」ことを重視する傾向が強くなったきました。
極端な言い方をすると、調べた結果が正解か否かよりも、考えているか否かの方が重要視されます。

調べることは考えるための材料

考えることを前提にした場合、調べた結果は「答え」ではなく、考えるための「材料」になります。

調べて得た答えが1つだけだったら、考えることはできません。
いくつもの答えを集め、比較することで、何が最適な答えなのか考えられるようになります。

もし、答えが間違っていた時は、考えるための材料に不足や誤りがあるか、考える方向性に不足や誤りがあったことになります。

この「考えて答えを出すまでの工程を振り返った時に、どこで間違ったのか調べやすくなっている」ことが、考えて仕事をすることの最大の利点。前述した、正解か否かよりも大事なことです。

ちなみに、出した答えが正解だった場合は、考えて答えを出すまでの工程を振り返った時に、どれが正解の決め手だったのかわかりやすくなります。
だから、このやり方を繰り返していると「正解の決め手」や「間違いやすいポイント」がつかめるようになり、結果、仕事ができるようになっていくわけです。

答えをジャッジする側も力量が試される

このように「調べ・考えて」答えを出した場合、その答えを判定する側も、ただのダメ出しでは済まなくなります。
調べたことにどんな不足があったのか、考える方向性にどんな間違いがったのか、的確に助言しなればなりません。

もし、的確な助言ができなかったら、その人は良し悪しを判定できるだけの能力がないということです。
ここでいう「的確な助言」は、正解を出すことではありません。正解を導き出すのは、仕事を与えられた側ですから。あくまでも比較検討材料であったり、比較検討するポイントを指摘するだけです。
なのに、それすらできないのは...ということです。

改善の見出せないダメ出しは、新人の成長を妨げるどころか、潰しかねません。
こういう人に潰されない為にも、考えることは重要なのです(>新人の皆さん)

毎回伝えることはネットワーク上にまとめる

「わからないことは、まず調べる」といっても、何から何まで調べられるわけではありません。
とくに、「うちの会社の場合はこうする」という社内ルールは、インターネット上にはありませんから。

だからといって、「わからないことを訊く」対応ばかりしていたら、訊かれる側にもそれなりの手間が発生するので、パフォーマンスの低下は否めません。

そこで参考にしたいのは「よくある質問」です。

新人向けの「よくある質問」を用意する

インターネット上のサービスには、たいてい「ヘルプ」があり、その中には「よくある質問」が用意されています。

目的は、多くの人が質問するであろうことを事前にまとめておくことで、問い合わせの数を減らすこと。
減らせた分、他の問い合わせに沢山対応できるようになったり、問い合わせ時代に繋がりやすなったりと、サービスの向上が図れるからです。

このやり方を、そのまま取り入れます。
新人が質問しそうなことを、社内のネットワーク上にまとておくのです。

例えば、出退勤のやり方、経費の精算のし方、バイク便の利用方法、どんな時にはどの部署に問い合わせるのか等々。

これがあると、質問される社員の負担を軽減することができます。
もし、こうした環境ができていない時は、今年度の新人教育を活かし、来年度の向けて整えることをお勧めします。

新入社員の皆さんへ

最後に「考える」仕事の、つまづきやすいポイントを伝えます。

それは「考えた結果を言葉にする」ところです。

言葉が見つかないと、企画書、調査書、報告書などを書いている時に、手が止まってしまいます。
言葉が見つかっていないので、検索することもできません。

検索できないだけに、こればかりは諸先輩方に助言をもらうのは十分アリです。
でも、いつかは自分の力でなんとかしたいと思うのであれば、普段から本を読んでおくことを勧めます。
より多くの言葉、言葉遣い、表現方法を身につけて下さい。

これからの時代、他言語を覚えることよりも、一言語のボキャブラリーを増やした方が良いです。翻訳ソフトがどんどん優秀になりますから。

それでは、新入社員の皆さんの健闘を祈ります!

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