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【仕事術】なぜ、企画が通らないのか

企画の出来が悪いというわかりやすい理由ではなく、よくわからない理由で企画が通らなかったことはありませんか?

例えば、自分の企画をきっかけに様々な意見が飛び交い、活発な議論が交わされたのに、どの意見が良いのかわからなくな理、自分の企画もそのよくわからない意見の1つとして扱われ、結果、ボツになってしまう、とか。

それは、もしかしたら「ベネフィットの衝突」が起こっているかもしれません。

ベネフィットとは

ベネフィットとは、「顧客にとっての価値」だ。あなたが工具のドリルを売っているとする。あなたにとっての売り物はドリルだが、顧客にとっては、ドリル自体ではなくドリルが開ける「穴」に価値があるのだ。この「穴」がベネフィットということになる。
顧客は「ドリル」を買っているわけではなく、「穴を開ける道具」を買っているのであり、あなたはドリルではなく「穴を開ける道具」を売っている。
【佐藤義典 著「ドリルを売るには穴を売れ」より】

何を対象に、どんなベネフィットを持つかは、人それぞれです。
例えば、腕時計の場合はこんな感じ。

腕時計をしている人
◎安かったから ◎軽いから ◎電池交換の手間が省けるソーラー充電だったから ◎文字盤が大きくて見やすいから ◎常に正確な電波時計がほしかった ◎結納返しに高い高級時計をもらった ◎私服にもスーツにも合いそうなデザインだったから ◎あこがれのブランドを自分へのごほうびに

腕時計をしていない人
◎時間は携帯電話でわかるので不要 ◎重いしジャマになるから

ベネフィット=顧客にとっての価値はポジティブなものだけとは限りません。
価値が見出せないことも、ベネフィットの1つです。

多様性はプレゼンテーションの場でも起こっている

現代は多様性社会だと言われて久しく、様々な好みや価値観が渦巻いている為、誰もが振り向くような大ヒットは難しいと言われています。

その多様性は、会議やプレゼンテーションの場でも起こっています。
だから、肯定否定含め様々な意見が出てます。

自分の意見が正しくて、他人の意見は間違っているように見えます。
自分の意見が間違っていて、他人の意見の方が正しく見えたりもします。

どの意見も正しいように見え、どの意見も間違っているように見える。
それは、上記に挙げた「腕時計のベネフィット」の中で、どれが正しいのか決めようとしているようなものです。

そこに、誰も納得するような、絶対的な正解はありません。
結果、何も判断できず、何も決められずに終わる。
これが「ベネフィットの衝突」です。

ベネフィットの衝突を避けるには

ポイントは3つ。

1)様々なベネフィットがあることを前提にする
2)その内の幾つかを候補としてピックアップする
3)それぞれのメリットデメリットを示して1つに絞った理由を示す

最初から1つの結論を出して企画をまとめると、その企画に示されていない様々な意見が出てきます。これが始まると「ベネフィットの衝突」にまっしぐら。
それを回避するために「1」を前提として「2」のピックアップを行います。

「2」でピックアップするベネフィットは、次の3種類です。

A)誰もが考えそうなベネフィット
B)すぐには思いつかないベネフィット
C)自分が選んだ本命のベネフィット

「A」や「B」が1つに絞りきれない時は、1つ2つ増やしても良いです。
ただし、沢山の選択肢を用意して情報量を増やすと、わかり難くなります。
5つ以内に抑えた方が良いでしょう。

検討に値するアイデアをいくつか出して1つに絞った経緯を説明すると、それに類似した意見は出難くなり、余計な議論に及ぶことを避けられます。

あとは、1つに絞った根拠に説得力があるかないかの話になります。
ここでつまずいた時は、自分の企画に何か不足があったということです。

ベネフィットの衝突が厄介な理由

それは「ベネフィットの衝突」が、参加者がポジティブな意見だったり、協力的であっても起こってしまうところです。
批判的な意見ばかりだったら、愚痴もこぼせるのですが、それすらできません。
悶々とした気持ちのまま、よくわからない敗戦を迎えます。

ぼくは、マーケティングを学ぶまで、そのような敗戦を何度も味わいました。

これを読んだあなたは、ぼくと同じ轍を踏まず、優れた企画を通して下さい。
検討を祈ります!

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