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詩集の一頁(2022年1月前半)

このnoteは、月に数回程度、最近書いた詩を4-5編程度記録しておくものです。
初回はこちら。簡単な自己紹介もありますので、よろしければご覧ください。

「死にたがり」

生きてる生きてる 死にたがり
世界が嫌いで
自分が嫌いで
そのくせ今日も 生きている

痛いのが嫌で
怖いのが嫌で
今日もしぶとく 生きている

生きてる生きてる 死にたがり
昨日死ねなかったなら
今日死ねばよかったのに

(2021.12.7)

「二匹のけもの」

いつからだろう
あなたと会うのが楽しみじゃなくなったのは
ああ、また日曜の11時ねって
ピアノのお稽古みたいに無感情になったのは

気の合う友達と遊ぶ方が
うんと楽しみになって
今まで傷つけられた言葉ばかり
頭にこびりついて離れなくなって

寂しいときそばにいてほしいのは
あなたしかいなくて
すがるように電話をしても
あなたは欲しい言葉をくれなくて

くっつきすぎて 息が詰まって
離れすぎて ぶるぶる震えて
不慣れな二匹のけものみたい
私たち上手に寄り添えないね

(2022/1/11)

「傘」

雨のときに家にいると
守られている感じがして好きだと
あなたは言った

荒れ狂う獣みたいなどしゃ降りの日々
みじめな濡れねずみの私を
あなたはいつも守ってくれた

でももうあなたは私の傘じゃない
あんなにやさしく包んでくれたあなたの言葉は
今や私に牙を剥く

「離れたくないけど今日は会いたくない」
そんな週末が何度続いた?
傷ついて傷つけて奪って奪われて
それでもあなたのいない人生を選びたくない

差しかけてもらうんじゃなくて
自分で傘を差して歩いていくよ
もし叶うなら あなたの隣で

(2022/1/11)

「無題」

楽しかったことが
楽しくなくなって

好きだった人が
好きじゃなくなって

私はこれから
どこへ行くのだろう

(2022/1/12)

「辞世の句」

自分で自分が恥かしい

ロシヤ語など喋れもしないくせに
僅かな知識をひけらかし

およそ小説と呼べぬ書き散らしを
インタアネツトに晒し上げ

他人の玉のきずばかりあげつらう
お前など瑕だらけの石ころではないか

恥かしい! 醜悪だ! 嘘偽りの展覧会だ!
「生れてすみません」などと
百万遍言われた台詞の繰り返しに何の意味がある?

生きているだけで赤ッ恥
こんなわたくしとはもうおさらばです
皆様どうぞ御覧じろ
これが私の死に様です

極楽も地獄も在りゃしません
在るのは只の無で御座います
私は無に帰すのです
左様なら、御機嫌よう

(2022/1/11)

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