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詩集の一頁(2021/11/23)

今週は発表できる新作がないので、過去作をいくつかまとめておこうと思います。今年の夏から秋頃書いたものです。

「先輩」は、このnoteに書いたミナト先輩のモデルになった人です。

5編紹介します。

「アンダンテ(歩く速さで)」

日曜日、天気がいいからピクニックに行こうよ
二人で作ったお弁当はおかずがめちゃくちゃでもいいよ

オムレツにおにぎりだって
二人で食べればなんでもおいしいよ

ほら出かけよう、手をつないで
悲しいことは一度忘れてしまおうよ

二人でいっしょに
アンダンテな時間を過ごそうよ

「太陽と月」

陽に当たったあなたの白いパーカーがまぶしくて目を細めた
まるであなたが太陽みたいだね

いつだってあなたはあたしを照らす太陽
あたしはあなたがいないと真っ黒な新月

あなたに会えたら光り輝く満月になれる
会えない日が続くと細く細くなっていく

今日もあたしを真ん丸満月にしてくれた
あなたにあたしの光が届きますように

「過去の人」

あなたのことなんてもうなんとも思ってない
だってあなたよりずっと素敵な人と付き合ってる
それでもときどきあなたの夢を見るの
どうしてかしらね

「パピコ」

君の好きな味はホワイトサワー
代わりばんこに買っては二人で分けた

ひんやりしたアイスを頬に当てる
君の笑顔が眩しかった日々

ひとりで二本食べるアイスは
あの頃よりも、すこしつめたい。

「先輩」

あたしあの人に恋をしていたかもしれない

猫背でひょろひょろ痩せていて
背はあんまり高くなくて
散髪を面倒がった黒い髪は肩まで伸びて
ときどき無精ひげも生えて

頭がよくて
仕事ができて
面倒見がよくて
甘やかすのが大の得意だった人

あたしきっとあの人が好きだった
だけどあの人があたしを好きじゃないことくらいわかってた
あなたと恋をしたらどんなだったろうと
あたし一生考えるのかしら    (2021/09/03)


ありがとうございました。来週も火曜に更新予定です。

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