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結婚と食パンの厚さと今日の朝ごはん

結婚4日目の朝。
私は良妻となることを既に諦めているので、夫(と呼ぶのも慣れないが)が6時前に出勤していく気配を感じながら眠っていた。

目が覚めると8時ぴったり。寒いなぁと思いながらのそのそ起き出し、朝ごはんのことを考えた。

結婚初日に作ったたこ焼きの、明太子が余っている。
昨日の朝はご飯にのせて、明太バター醤油ごはんにした。あれはおいしかったなぁ。また食べたいけど、お米が実家から持ってきたほんの少ししかないから、ちょっとセーブしたい。
パンにしよう。

昨日初めて最寄りのスーパーに行って、98円の食パンを買ってきた。8枚切りは夫の好み。
「食パン自体がそんなに好きじゃないから、上にのせるジャムとかの存在感が強い方がいい」とのこと。

私の実家では、決まって5枚切りだった。外がカリッと、中がふわっとした分厚い食パンはおいしい。
でも、学生時代より食が細くなったので、朝からまる一枚食べるには少し多くて、最近はいつも半分に切り、2日かけて食べていた。10枚切り分を食べていた計算になる。だから私も8枚切りでちょうどいいはずだ、と思って買った。

食パンに明太子を薄く塗り、マヨネーズをシャシャッとかけて、チーズをたっぷりのせた。

チーズがよく焼けるように、普段より長めの4分焼いてみる。

もう少し焼き目がついてほしかったけど、まあよしとする。
夕飯の残りの中華風おひたしと、インスタントの春雨スープも添えて、和洋中折衷のごちゃごちゃ朝ごはん。

でも、塩気の効いたカリカリのトーストと、薄味のおひたし、寒い朝に嬉しい熱々のスープは、不思議なほどしっくりと馴染んでおいしかった。

そして私は、8枚切りの薄い食パンは、クラッカーやピザのようにスナック感覚で食べられて楽しい、ということを発見したのだった。

食パンの厚さのように、私たちの小さな習慣や好みの違いは、これからいくらでも出てくるだろう。
そのたびに、いやいや合わせるのではなくて、新しい発見を楽しんでいけたらいい。相手が何が好きで、なぜ好きなのか、ひとつずつ知っていけたらいい。

もしかしたら、それが「夫婦になる」ということなのかもしれない。

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