詩集の一頁(2021年12月第1週)
このnoteは、毎週火曜あたりを目標に、その週書いた詩や以前書き溜めておいた詩を4-5本程度記録しておくものです。
初回はこちら。簡単な自己紹介もありますので、よろしければご覧ください。
https://note.com/feet_note/n/n7991abe62b58?magazine_key=mab0e9f167d8d
「好きの種類」
好きにもいろいろ種類があって
手を繋ぎたい好きもあれば
ただ隣でお茶を飲みたい好きとか
なんでもない日に花束を贈りたい好きとか
雑貨屋を見てるとふと顔が浮かぶ好きとか
いろんな「好き」が、わたしの中にある
それをひとくくりに
惚れた腫れた恋だ愛だって
いい加減にまとめないで
わたしの彼への気持ちは
出来合いの雑な名前なんて当てはまらない
たいせつで特別な気持ち
2021/11/22→2021/11/30
「モルモット」
あなたは自分を
ーーたとえばお金や時間をーー
削って削ってすり減って
私を幸せにしてくれてると思ってた
だけど違うのね
にんじんスティックを自分で食べるより
モルモットがおいしそうに食べてるのを見る方が幸せだと
たとえるあなたには笑ったけれど
私の幸せをつくるのが
俺の幸せだとあなたは言った
それなら私はこれからも
にこにこもぐもぐにんじん食べるよ
ときどきかみついても おこらないでね
おひざにのせて やさしくなでてね
2021/11/29
「ほしのかけら」
おぼえてる?
つきあう前に 池袋の芸術劇場で
デザートの盛り合わせを全部
はんぶんこにしてくれたこと
あなたの手が丁寧に割った ちいさな甘い幸せを
ぜんぶ、おぼえてる
おぼえてる?
LINE交換したいなんて言えなくて
いつもメールをしていたこと
あなたの返事をいつでも待っていた
携帯が鳴ると外でも思わず頬がゆるんだ
ぜんぶ、おぼえてる
おぼえてる?
寒さにくもったガラスに隠れて
停めた車の中で何度もキスをしたこと
一度も重ねたことのない身体が熱を持った
あなたの汗ばんだ手も、荒い息も、乱れた髪も
ぜんぶ、おぼえてる
あたしこれからもきっと、
あなたがくれた ちいさなほしのかけらを
ひとつひとつ拾いあつめて、
宝石箱にしまっていく
2021/11/29
「よくある夜のひとつ」
誰かにどうにかして助けてほしくて
でも誰にも手を掴んでもらえなくて
助かる方法もわからなくて
そういうよくある夜のひとつが今日
2021年9月頃
「かぼちゃのぬいぐるみ」
たったひとつの千円の かぼちゃのぬいぐるみに救われる夜もある
2021年9月頃
ご覧頂きありがとうございました。
来週もお目にかかれるよう頑張ります。
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