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悪循環から抜け出す「例外探し」

今回は、うまくいっていない状況を変えるために「例外」を探しましょうという話。
 
 
自分の状況はうまくいっていない、悪い状況が続いている。
そんなふうに思って、問題を解決できないときはありませんか。
 
ブリーフセラピーという心理療法の考え方が、そのような状況から抜け出せるヒントになればと紹介します。




ブリーフセラピーという心理療法に解決志向アプローチという手法があります。
 
その中に「例外探し」というものがあります。
 
うまくいかない状況の中にも、小さくても一度でもいいのでうまくいったことを探すのです。
うまくいった時のことを「例外」と言い、それを探すことを「例外探し」と言います。
「例外」を探し出して、なぜそれが起きたのか、いつもと何が違うのか、などを追究し再現していくのです。
 
例えば、不登校の子どもの例。
 
毎日学校に行けずに朝も起きられない。
ずっとその状況が続いて解決が見えない。
 
でもよくよく思い返すと、朝起きられた日もあった。
だとしたら、その例外的に起きられたのは、なぜか、いつもと何が違っていたのかを考えるのです。
 
 
「例外」を既に起きている解決の一部と考えます。
 
私たちは物事がうまくいっていないと、うまくいかないことばかりに目が向かいます。
実はうまくいっていることがあったとしても、それに気がつかないのです。
 
気がついてもそれが解決の兆しだとは、信じ切れないのかもしれません。
それがあまりにも小さい、偶然に過ぎないと思う、ロジカルな因果関係はないと思う、などの理由で。
 
それを何とか探して追究するのです。
 
 
緊張していつも人前でうまく話せないという人がいるとします。
自分は極度のあがり症だし、話も下手で、人前でうまく話せたことなど一度もないと。
 
でも「例外」をよく探してみると、一度だけいつもより話せたことがあったとします。
それは、聞いている人から質問をされて答えた時だった。
 
いつもは自分が準備してきたことを人前で話すのだが、その時は聞かれて答えたという違いがあったと。
相手が何を聞きたいかというニーズがわかるとしっかり話せることに気づく。
 
相手の役に立ちたいという気持ちが強いがために、ニーズに応えられていないと思うと、プレッシャーがかかることがわかったのです。
 
「問題」だと思っていることの裏には、実はその人の「強み」が潜んでいることがあります。
 
それなら、役立ちたいという強みを活かして、先に聞き手の知りたいことをリサーチしておくという手があります。
 
 
「例外」を扱う上で大事な考え方として、「うまくいったことの責任を追及する」というものがあります。
 
私たちは、うまくいかなかったこと、失敗などに対して、「自分がダメだからだ」と自分のせいにすることは得意です。
自分のせいでうまくいった、どうしてうまくいったのか、と追及すると「例外」を扱えるようになります。
 
 
 
今回は、「例外探し」を紹介しました。
うまくいっていないと思う状況の中にも、うまくいっていることはあります。
それを探すことが解決への糸口です。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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