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すぐに勉強に取りかかれない人がやるべきこと

試験勉強をしなければならないのに机に向かって勉強に取りかかるまでに時間がかかることってありますよね。
 
一度休憩したら、なかなか勉強に戻れなくなるなんて経験もないですか?
 
今回はスイッチを入れてすぐに勉強モードに入るためのコツをお話ししたいと思います。
 
私自身が資格の試験勉強の時に使っていた方法ですので、良かったら参考にしてみてください。



今回は3つのお話をさせていただきたいと思います。
 
 
1.やる気ホルモン「ドーパミン」の話
 
2.やりかけが気になる「ザイガルニック効果」の話
 
3.頑張ったからサボる「モラル・ライセンシング」の話
 
 
それではさっそく説明してまいります。
 

 
まず一つ目の、やる気ホルモン「ドーパミン」の話です。
 
人のやる気というのは、ドーパミンというホルモンによって出ます。
 
ドーパミンは脳の側坐核という場所から分泌されます。
この側坐核は、勉強をしたり、体を動かしたりと「実際の行動を起こしているとき」に活性化します。
 
つまり、やる気ホルモンドーパミンは、行動を起こした後に出るんです。
やる気が出るのを待っていても一向に出てこないわけです。
 
身もふたもない話になってしまいますが、勉強に取りかかるためのやる気を出すには、勉強に取りかかってしまうことなんです。
 
本当に身もふたもなくてすいませんけど。
 
でもこれ本当なんですよね。
 
実際に経験はありませんか?
 
勉強をはじめるまでは億劫だったけど、はじめてみると乗ってくるとか。
 
運動もそうですよね。
体を動かすことで気分が良くなったり。
 
掃除もわかりやすいですね。
手を動かし始めると意外とはまってしまいます。
 
こういうときって、ドーパミンが出ているんです。
 
勉強に取りかかるためには、とりあえず、取りかかってみること。
実はこれが一番重要なんです。
 
 
 
そんなことを言われても、その第一歩を踏みだしにくいわけですよね。
 
それで2つ目の、やりかけが気になる「ザイガルニック効果」という話です。
 
よくテレビ番組で盛り上がってきたところで、CMに入ってしまうことってありますよね。
続きが気になってCM中にチャンネルを変えられないようにする効果を明らかに狙っています。
あとテレビCMなんかで「続きはWebで!」なんていうのも使われていましたよね。
 
途中まで説明しておいて興味を持たせる効果ですよね。
こういうところにザイガルニック効果が使われています。
 
ザイガルニック効果とは、
「人は達成したり、完成したりするよりも、途中までになっていることの方が、強く頭に残っているという心理現象」です。
 
これを勉強に応用します。
 
キリの悪いところで終わらせて、勉強に戻りやすくします。
 
言い間違いではありませんよ、キリの悪いところです。
 
休憩を入れるタイミングとして、もしキリ良く参考書の一つの章を終わらせてからにしてしまうと、一旦頭から勉強が離れてしまって、休憩明けに戻りにくくなるんです。
 
ですのでこんなタイミングで休憩を入れてみてはいかがでしょうか?
 
時間で区切りを入れるというやり方です。
 
例えば、45分勉強したら、キリが悪くてもそこで休憩を10分から15分くらいとって、また勉強に戻るというのを繰り返すやり方です。
 
頭の中ではまだ途中のままなので、勉強を再開しやすくなります。
 
私の場合は朝の集中力が高い時間帯に勉強するので、起きてすぐに取りかかるようにします。
そのためのコツは、寝る前に翌日の勉強計画を立てたり、参考書を少しだけ読んでおきます。
 
そして、参考書と書き出した勉強計画を机の上に置いて寝ます。
そうすると、朝起きてそれらが目に入るので続きからやろうというモードに入れます。
 
やりかけが気になる効果をうまく活用してみてください。
 

3つ目の、頑張ったからサボる「モラル・ライセンシング」という話です。
 
モラル・ライセンシングとは聞きなれない言葉かもしれません。
「人は道徳的に善い行いをした後に、少しくらい悪いことをしてもいいと自分を許してしまう心理現象」です。
 
わかりやすい例としては、
 
ダイエット中の人が、ここまで頑張ったのだから今日はご褒美に甘いものを食べてもいいと自分を許す心理です。
 
あるいは、著名人ですごく頑張っている人が悪いことをしてスキャンダルになることってたまにありますよね。
すごく応援していた人だったら、とても残念ですよね。
 
プレッシャーの中で頑張って成果を出したことから、自分を許して悪いことをしてしまう。
この著名人の行いもモラル・ライセンシングが働いている場合があるとも言われています。
 
勉強に話を戻ります。
 
頑張って達成感を感じた後に自分を許してサボってしまうことがあります。
 
対処法としては、まず第一にはモラル・ライセンシングというものがあるんだということを意識することです。
 
ちょっとサボろうとしたときに「さっきまで頑張っていたから、ひょっとして自分は今モラル・ライセンシングになっていないか」と自問することで勉強に戻るようにします。
 
それと、休憩を入れるタイミングがここでも大事になります。
 
やはり、キリのいいところでというよりも、時間で区切って物足りなさを残した方が良いでしょう。
 
ここまでお読みになって、頑張ったのにご褒美を自分に与えたらだめなの?と思われるかもしれません。
 
ご褒美を与えるとしたら、目標とは関係のないものにするとよいのです。
 
良くない例が、頑張ったから休憩を長くするとか、明日は遊びの日にしようとか、勉強時間がほかのことと交換されてしまうものです。
 
そうではなくて、頑張ったから、今晩はおいしいものを食べようとか、ご褒美にほしいものを一つ買おうとかです。
 
モラル・ライセンシングという言葉、ぜひ覚えておいてください。
 

 
簡単にまとめます。
 
すぐに勉強に取りかかれない人が取りかかれるようにするために。
 
やる気ホルモン「ドーパミン」
やりかけが気になる「ザイガルニック効果」
頑張ったからサボる「モラル・ライセンシング」
 
の3つについてまず理解しましょう。
 
そして、これらのことから
 
・やる気を起こすためにはとりあえず勉強に着手すること
・勉強は時間によって区切りを入れること
 
の2点は確かに言えることではないでしょうか。
 
もし参考になりましたら、ご自身の勉強法に取り入れてみてください。
 
 
 
今回は、すぐに勉強に取りかかれない人がやるべきことについてお話しました。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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