クルマを25,000円で買った話

ワーホリしてた時、仕事が営業・配達だから毎日クルマを運転するし、職場までは徒歩やスケボーで行けるから日頃は電車やバスを使わないし、そもそも日本でもこれまでほとんど公共交通機関を利用しない生活だったので、必然的に

クルマ欲しいな…

って思うようになりました。
道路を走ってるのはいかにも欧米って感じの、デカいピックアップや、やたらと古い乗用車の他、韓国のヒュンダイやテウもよく見たし、やっぱり日本車も多くて本当に多種多様。

だからそこらじゅうにある中古車屋さんにも幅広い種類のクルマが並んでて、通りがかって眺めるだけでも楽しくなります。

ある日の配達の帰りに、職場の近くの中古車屋さんで、メチャメチャ興味をそそる、古ゥ〜い丸っこいクルマ。ボンネットやらフェンダーがポコッと丸く膨らんでて、ベージュのカラーリングがかわいいヤツを見て、せっかく乗るならあんな味のあるクルマが良ェな…と思いました。

ちなみにそのクルマの値段を忘れてしまったのですが、日本円で45万円〜65万円くらいだった感覚があります。
当時は1年のワーホリを終えてもまだしばらくメルボルンに残ろうという気持ちが強く、なおさら「クルマのある生活」を現実的に考えていました。

…とは言っても、週の給料が当時のレートで20,000円ぐらい。結構もらってるように感じるかもしれませんが、家賃や食費、生活のための諸々の経費と、片道キップでやってきたわたしには、「帰りの航空運賃を貯める」という重要なミッションがあり、あんまり自由にできるお金はありません。

ほしいけれども、ない袖は振れませんな!と半ば諦めていたところ、仕事の配達先でアルバイトをしていた人が、間もなく帰国するってことで、クルマを手放すという話を耳にしました。

それも、元々かなり安く入手した、古ゥ〜いクルマなので、格安でOKとのこと…

興味しんしん丸です!!

ただ、帰国の準備もあるし、いわゆる名義変更的な手続きもどのぐらい面倒なのか分からないし時間はあまりないということで、エーイ、ままよ!って勢いで、クルマも見ずに購入することにしちゃいました。

だって A$400 でいいって言うんだもん…。
当時のレートで25,000円くらいです。

早速連絡を取り、個人売買の手続きを進めます。

手続きの中で「ヘーッ」って思ったのが、クルマの名義を変更する時に、クルマを購入した時の領収書がいる、ってこと。
盗難とか不法に入手したヤツじゃないですよ、っていうエビデンスが必要なのね。

でも、わたしは個人売買だから領収書がありません。
その時、売り主と一緒に行っていたので、窓口の人が売り主に

「じゃああなたが紙に『わたしはシンにA$400でクルマを売りました』って書いて」

って指示して、言われたとおりに売り主がルーズリーフにサラサラ書いてサインしたものが「領収書」として受理されました。

で、その他の手続きも済ませて何日かして、陸運局的なところから いいよー って連絡があり、晴れてわたしもオーストラリアでクルマのオーナーとなったのでした。

そういやもうひとつ「ヘーッ」ってビックリしたのが、クルマの名義がわたしになったから、ナンバープレートも新しくなったんだけど、窓口の人が古いナンバープレートをガーンってゴミ箱に捨てよるから、

「アッ、それもらっていいですか?」

って訊いたら、いいよー って。

エッいいの⁉︎

自分から訊いといてアレだけど、バリバリ悪用できそうだし、日本じゃまずNGだろうけど、ふたつ返事でOKもらっちゃったから、ありがたく頂戴しました。
帰国する時も持ち帰って、日本でもサニトラに飾ってましたよ。

コレが 1982年式 MITSUBISHI SIGMA ワゴンです!

見た感じ、マットでカワイイでしょ?
わたしが1979年生まれだから、3歳の時に造られたクルマ。
MTで、リバースのギアが1速の左にあるの。シフトレバーを根本の方に「押し込んで」左に倒す感じでリバースに入れるっていう不思議なトランスミッションでした。

このクルマでいろんなトコ行ったし、サーフィンも行ったし、25,000円分は十分に元はとったけど、最後の方はすんごい調子悪くて、

シティの真ん中で夜中にエンジンかかんなくなって、まさかのクルマの押しがけするハメになったり、

友だちを空港に見送りに行く道中でドチャクソ煙噴いて、結局それでオシャカになったり、

たくさんの ネタ 想い出を作ってくれました。

あれ以来、やっぱりどこか面倒くさそうなクルマに惹かれるようになっちゃったなァ…

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