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「動画の翻訳字幕」の市場構造が少し見えてきたので記事にしたいと思う。

9月からシンガポール法人のAI COMMUNIS(AIコムーニス)社の日本国内進出を手伝わせてもらってまして、リードを獲得して、商談をセットして、という実務もそうなんですが、同時並行でマーケット構造の解明に力を入れてきました。

プロジェクトの内容は、ザクっと下記に書いてあるので見てもらえるとこの上ない!

細かいところは色々ありますが、現在のミッションは「動画の翻訳字幕サービス」を受注するという至ってシンプルなもの。

つまり、動画を持っていて、翻訳して、字幕をつけたい、こういう顧客を見つけてきてサービスを提供する。このルートを構築するという仕事です。

翻訳や通訳市場サイズ

まず動画のくくりをとってしまって、翻訳や通訳分野を全体で見ると、マーケットが大きいんだなと。翻訳会社さんの上場企業もたくさんあるし、歴史の古い会社さんが多い。

規模の大きい会社さんが多い、長く続いている会社さんが多い、これらを一連で考えてみると、業界全体の売上規模は十二分あって、定期的かつ安定的なニーズがある。という仮説が立つ。

3,000億規模と聞いていたので仮説と数値の暗算も腹落ちできてつながります。事業推進する上でのサイズは全く問題ない。

国内進出前から仕事が発生していた

で、AI COMMUNIS(AIコムーニス)社への動画の翻訳字幕の仕事は、すでに翻訳会社さん経由で定期的に来ていた。

ここで立つ仮説は、まず動画領域の翻訳ニーズがあること、プラスして動画領域の翻訳って、翻訳会社さん的には、中で抱えたい仕事というよりも、外に出したい仕事なのではないか?というところ。

これらを掛け合わせると、

サイズある→需要ある→本格的に国内進出GO


こうなるので、

今国内のマーケティングを頑張っているところというステータスです。

マーケティング的にアプローチルートは2つで、エンドユーザーさんへのアプローチと、翻訳会社さんへのアプローチ。こんな感じですね。

まずは翻訳会社さんの状況を知ろう

まずは、勝ち筋が見えている翻訳会社さんルートの足回りの状況を知りたいと思っていたので、業界の知り合いの方に根掘り葉掘り状況を聞いたり、「動画 翻訳字幕」の検索ワードから、広告、検索上位、採用サイトなど、色んな会社さんのWebサイトをのぞき、採用状況をのぞき、業務内容をのぞき、でストーカーリサーチを進めると、

・動画の翻訳字幕に特化してサービスを展開しているところが少ない

・あってもAI系の自動化サービスか、少々金額の高いオーダーメイド型

・日常的に動画コンテンツが溢れる現代だと、クオリティ的な0か100、コスト的な0か100みたいな振り幅だけでは動画の翻訳字幕の仕事はできない

・むしろ70くらいのクオリティを、30くらいのコストで、安定品質を継続的にアウトプットできることが大事

・翻訳業界は、とても職人の世界

・「動画の翻訳字幕」作業は、動画の動きに合わせて文字をつけないといけなかったり、単純な翻訳クオリティの追求というよりも、動画編集のようなテクニカルな要素が大きい。

とまあ、こんな感じのまずは定性要素がつかめてきたわけですね。

要は、翻訳はネイティブレベル、そこそこの金額で、動画編集までやってくれて、字幕をつけてくれる。ここが翻訳会社が抱える課題のソリューションポイントだったわけですね。

これらを掛け合わせて考えると、「国内進出前から仕事が発生していた」この状況の理由の解像度が上がりました。

というわけで改めて、国内市場へGO!すばらしい!

翻訳会社さんへのアプローチ

今回はマーケティングのtips目的の記事ではないので、具体的な手法は割愛しますが、テストマーケティングを経て、15件以上の商談セット、そこからすでに5件以上の新規取引が発生しています。

上述の話にもつながってくるのですが、「動画の翻訳字幕」はエンドユーザーから動画の翻訳字幕のニーズが多い。ただ翻訳会社自体で請け負うにはリソースが足りない。編集技術のようなデジタルスキルも必要。

そこに業界全体が職人肌というか、翻訳会社のペインというか、業界内のポジションがある。

課題が明確になれば、解決できるソリューション内容も具体的になるので、この課題と解決策のセットが出来上がれば、あとは施策でデリバリーするだけという流れ。

情報のデリバリー=マーケティング施策がうまくいかない場合は、課題の解像度が上がりきっていないという状態なんですよね。

エンドユーザーさんの状況を知ろう


一方で、エンドユーザーさんとの直接接触という部分は苦戦してまして、ここは試行錯誤中だったりします。「情報のデリバリー=マーケティング施策がうまくいかない場合は、課題の解像度が上がりきっていないという状態なんですよね。」

ブーメランで耳が痛い。

正解に辿り着くと「そんなことか」となるのですが、それまではなかなかグルグルしなきゃいけなくて、この辺りが、テストマーケティングの難しさでもあり、やりがいでもありますよね(ポジティブ)。

・メディアなどのコンテンツホルダーに、社内にある動画を翻訳字幕入れて海外展開しましょう!!

・グローバル企業に、社内にある研修動画を翻訳字幕入れて、全世界支社とのコミュニケーション円滑にしましょう!!

みたいにわかりやすい状況をつくれればいいのですが、

上述の「翻訳や通訳市場のマーケットサイズ」の話のところで、歴史の古い会社さんが多い。と書いたと思うんですが、それだけエンドユーザーさんと深い付き合いのある翻訳会社さんがたくさんあるというところ。

翻訳や通訳の大きい文脈の中でいうと、動画分野はひとつのパーツでしかないところ。そこだけ切り出してくるのはエンドユーザーさんにとっては非効率。

こう考えると、金額<信用。みたいなところで、わたしたちと直接組む動機はいまひとつになってきて、もうひとひねり、もうひと掘り下げが必要。そう考えると、翻訳会社さんとの協業特化という回答になりがち。

ただ別の視点に切り替えてみて、例えば、採用市場を見てみると、

翻訳者や通訳者の需要ってものすごく多いんですよね。

実際のリサーチ資料そのまま

ここの置き換え。アウトソースという文脈だととてもチャンスがあるんじゃないかなと思っていたり、抽象度を上げると色々試したいことがあって、その仮説のどこかが当たりなんだろうなという感覚も持っていたりいなかったりします。

これからマーケットへの投入プロダクト(案)も幅広くあるので、具体と抽象、幹と枝葉、スタートアップの回転力の利点をつかって課題と解決策のセットパターンを量産していきたいと思います。


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