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心を元気に!トラウマから解放されるSOCという対処法

もし、命の危険にさらされるようなストレスを受けたら、それが一生トラウマになって消えないかも……

そんな疑問に答えてくれる本を見つけました。

環境で学問的な研究結果と臨床データからメンタルの健康を維持するための処方箋。
ストレスマネジメント専門家、公認心理師、の船木彩乃さんの著書、
それがこちら↓

読んだら心が楽になる、というものではありませんが、「首尾一貫感覚」という理論がとてもシンプルでわかりやすく、なるほど納得してしまいました。

「首尾一貫感覚」とは

ストレスが高い状況にあっても、うまく対処し、明るく健康に生きる力のこと

提唱したのは、医療社会学者のアーロン・アントノフスキー博士。
1970年代、博士は「第2次世界大戦中にユダヤ人強制収容所という過酷なストレスを経験したにも関わらず、その後、更年期を経てもなお健康を保ちながら明るく生きている女性たちが全体の3割ほど存在していること」に興味を持ったそうです。

「あんな酷い経験をして、トラウマにならないって、どないなっとんねん?」
と不思議に思った博士は、実際に心の健康を保っている女性達にインタビューし、著名な専門家の理論と照らし合わせて、ある結論に辿り着きました。
それがSence of Coherence(SOC)=ストレスへの対処力、首尾一貫感覚

本書より抜粋

私も20代の頃にストレスの極限状態を体験したんですが、残念ながら、更年期をうまく乗り切れませんでした。
精神的に不安定で、冷え性、排尿困難、耳鳴り、脱毛、不整脈に高脂血症などなど、
病院を巡っては薬を飲みまくり。

なんとかなる」というのは確かにそう思えるのですが、
どんなことにも意味がある」というのは難しくて。
人生に失敗した、という後悔が何十年経った今でも消えてくれません。
自分には後ろめたい過去がある、という思いをずっと引きずっています。

「あんな目に遭わずに済んだならもっと楽に生きられたのに……」
そういう未練があるせいでしょう。現在も過去と似たような状況を体験しています。

カウンセラーによれば
相談者の悩みの9割は「人間関係」


職場の雰囲気が悪い、パワハラ気質の上司がいる、マウントをとってくる同僚、家に帰れば家族と喧嘩。今の時代、多くの人が人との関わりに苦しんでいるようです。

医療は進歩し、近代的な生活で、戦争のない平和な日常。
ストレスとは無縁のはずなのに、人は未だに悩み続けているというのはなんとも皮肉な話ですが、そんな現代人のメンタルを救うべく、中高生にもわかりやすく答えてくれる専門家が北欧に存在しました。

「それはね、脳の問題なんだよ、
脳は原始時代と変わっていないから。
今でも人間は、森の中を駆けずり回って狩をしていると思っているんだ」

脳本来の働きからメンタルの本を書いているのは、スウェーデンの著名な精神科医、アンデシュ・ハンセン氏。
「脳が感情を作る」という観点から心の取り扱い方を優しく解説しています。
「スマホ脳」「ストレス脳」の著書でもあり、10代向けに書き直されたメンタルに関する本はこちら↓

スウェーデンでは学校が申し込めば無料でもらえるという中高生のバイブルだそうです。

人生からストレスがなくならないって?そんなの当たり前さ。
「ずっとキラキラな毎日が続いて幸せだな〜」とか、
脳はそんなことを望んでないんだよ、
そんな状態が続いたらモチベを失って行動しなくなるだろ?

というのが博士の説。
脳とは本来、
ストレスによってモチベーションを与え、生き延びるための行動をするように仕向けるのが仕事なんだとか。

なので、メンタルが疲れることも、引きこもりたくなることも、全て脳による指示なわけで「引きこもっていた方が安全だ!」と判断すれば外に出られなくなる……

それを知れば「病気だ、異常だ」と劣等感を抱く必要はないし、「自分はちょっと脳が疲れてるんだな」と思えばいいわけで。脳が疲れるということは「その場所に生命の危機を感じる」ということであり、「環境や状況を変えれば健康になれるんだ」と前向きになれます。

メンタルを病む時は危険にさらされていると判断すればいい

だから逃げる、引きこもる。

そして、そこから自分と向き合う。

どんな感情も、そこから行動を起こすための起爆剤のようなもの。

脳の仕事は「生き延びること」なので、どんな状況下でも生き残れるよう、体や記憶からの情報を集めて感情を作り出してくれているんだそうです。

「いつも笑顔でハッピーな気持ちで生きる」
そんなことは無理!
そもそもありえないし、そうだったら人類はとっくに絶滅してるよ


えーっ、そうなの?

幸せという感情は消えるもの。
消えるからこそ、常に不満を抱え、新しいゴールを設定して行動していく。
その過程を楽しみながらその意味を見出していけばいいのさ

うん、確かにそれは思うなあ〜

感情をコントロールしているのは脳であり、「生き延びられる」ような行動をとると楽しいと感じるようになっている、というのも納得です。

恋をする、結婚する、子供ができる、赤ちゃんの笑顔に癒される、
本能的な行動ですが、みんな楽しいですよね。

*信頼できる人たちに囲まれる、
*夢中になれて周りも楽しい気持ちになるようなことをする

それも楽しい。

幸せというのは、常に穏やかな気持ちでいられる、というよりも、
「どんなことにも意味があると感じられることだよ」
そう言われて思い浮かぶのは「首尾一貫感覚」

そっかあ、そこに繋がっていくんだ……
メンタルの健康には、何があってもそれに意味があると思えることが重要なわけで。
過去の失敗もトラウマも、それが今の自分には必要だったんだと理解できることができれば、何かが変わっていくのかも。

ということで改めて、自分の過去を振り返ってみようと思います。





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