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メソポタミア神話❗が分かる❗

今回はメソポタミア神話❗

ギリシア神話や、北欧神話等と比べ、聞いただけでは、なかなかぱっとしないと思いますがこのメソポタミア神話は様々な神話の元になっている神話の原点のような神話になっています❗

この神話は紀元前4000年前に存在していたという世界最古の神話とされていて、
解読が進むにつれ、ある物語が発見されたことにより一気に考古学から注目を浴びます。
その物語が「シュメールの大洪水」という物語で、
ユダヤ、キリスト、イスラム教のなかの神話「ノアの方舟」
の原点となる物語がメソポタミア神話に存在したのです❗

それだけではなく、現代のアニメや漫画等で見られる定番の話の構成や、胸熱展開もこの最古の神話には存在しており、非常におもしろい神話となっています❗

今回はそんなメソポタミア神話を5分程度で読めるよう、超簡単にまとめて紹介していきます❗

それではいきます❗❗



メソポタミア神話

メソポタミア3神


メソポタミア3神とよばれる神が存在します。
 
アン(天の神)
エンリル(風の神)
エンキ(知恵の神)

です。
アンが最高神という位置づけなのですが、アンの子エンリルが基本中心となって物語が進んでいきます。

メソポタミア神話は、

シュメール神話→アッカド神話→バビロニア神話

と時代を経て侵略したりされたりを繰り返す中、様々な形で変化していきます。
時系列や、登場する神も最古の神話ということもあり、記述によって矛盾も多く、統一性がないので書くのが非常に難しいです。
そこで、このnoteではそれぞれの主要な神に焦点を当て、代表的な物語を交えて紹介していこうと思います❗

まずは先ほど紹介したメソポタミア3神のエンリルからいきます。

エンリル

エンリルにはニンニルという妻がいます。
(名前が非常にややこしいですね)
ある時ニンニルはエンリルに、水浴びしているところを見られてしまい、エンリルに襲われてしまいます。

ニンニルを襲ったことで強姦の罪に問われたエンリルは、冥界送りの刑となりますが、エンリルに恋してしまったニンニルは、冥界まで追いかけ、自らも冥界へ入ってしまい

「一度冥界に入った者は、身代わりを用意しなければ地上や天界に戻れない」

という冥界の掟により、地上へ出られなくなります。
そこで冥界で二人は子を作り、自らの子を身代わりとして、地上に戻るという物語があります。

冥界の物語は日本の古事記、ギリシャ神話など多くの神話にみられる物語であり、このメソポタミア神話が原点と考えられています。


知恵の神エンキとエンリル

シュメールの大洪水

この物語はユダヤ、キリスト、イスラム教にでてくる「ノアの箱船」の物語と非常に類似していて、解読が進む中、この物語が発見されたことによりメソポタミア神話が学者達の間で一気に注目されました。


ある時、エンリルが人間を滅ぼしてしまおうと考えます。
この考えにメソポタミア3神の1人、知恵の神エンキが反対します。
ですがエンリルは考えを改めず、人間界に大きな洪水を起こして人類を滅ぼしにかかります
エンキはこの事を人間のジウスドラという王に伝え、大きな船を作らせジウスドラは大洪水を7日間船で耐え生き延びました。

この「シュメールの大洪水」の神話が、メソポタミア各地、さらには地中海沿岸部にまで広がっていき、「ノアの箱船」の元ネタもこの物語であったと言われています。

この話で活躍する知恵の神エンキですが、この神は知恵の神という高貴な神でありながら、好色でビール好きという少しだらしないキャラ設定がされています。


女神 イナンナ



メソポタミアの冥界はエンリル、ニンニルが地上に戻る際、身代わりとなった二人の子、ネルガルが治めていましたが、エレキシュガルという神に途中から変わっています。

これはネルガル、エレキシュガルをそれぞれ信仰する勢力があり、そこが混ざりあっていく中で、最終的にはエレキシュガルが冥界の女王ということになったのでしょう。

最古の神話ということもあり、はっきりしていない箇所が多いですが、そこもまた面白い所です。

エレキシュガルにはイナンナという妹がいます。
このイナンナ、ギリシャ神話の女神アフロディーテや、様々な神話の女神の元になっていると言われています。

当時、たくさんの都市国家の王達が「自分はイナンナの愛人である」とし、女神の権威を自らに裏付けるために利用しました。
この事からイナンナは数々の愛人を持っていたとされ、性愛の守護神という側面も持っています。

あの知恵の神エンキイナンナの策略にはまり、大事な経典「メー」を盗まれる等、イナンナは非常にメソポタミア神話においてトリッキーな存在となっています。



ギルガメッシュ



このメソポタミア神話で一番魅力的なキャラクター。
それが、このギルガメッシュです。
ギルガメッシュから、実在説が有力になっています。

今まで、紹介してきた物語は、メソポタミアの初期の神話、シュメール神話に分類されるのですがここからはアッカド人に侵略された後、アッカド人により追加された物語だと考えられています。
先程紹介した女神イナンナも、アッカド神話ではイシュタルとして記述されていますが、ややこしいのでここではイナンナで統一して書いていきます。

ギルガメッシュは、都市ウルクを治める非常に強く、賢明な王でしたが暴君でした。
ある時、ウルクの人々は天の神アン(メソポタミア3神)にギルガメッシュを、なんとかしてほしいと頼みます。

そこで神々の間でギルガメッシュにライバルをつくろう。ということになり『エンキドゥ』という毛むくじゃらのゴリラのような獣を作り、地上に送りこみます。

エンキドゥは地上の獣達のリーダーとなり、狩りにきた人間達と数々のいさかいを起こします。

その事をウルクの人々はギルガメッシュに伝えると、
ギルガメッシュエンキドゥの元にシャムハトという神殿娼婦を使わせます。

するとエンキドゥは、シャムハトに恋をし7日間交わり続けます。
7日間交わり続けたエンキドゥは、精力がすっかり抜け、姿形が獣の姿から人間の姿へと変わります。

パワーは少し落ちましたが、それと引き換えに知恵と冷静さが備わり、人間の言葉を話せるようになります。

そして、ある時エンキドゥの耳にギルガメッシュという物凄く強い王がいるという噂が入り、ギルガメッシュに会いに行くことにします。

するとギルガメッシュもエンキドゥに興味を持ち、二人は出会った瞬間、問答無用で殴り合い、長い戦いの末2人は疲れはてて倒れます。
そして2人はお互いの力を認めあい親友になったのです。

少年漫画にありそうな定番の展開です。
この放し飼い紀元前ほど2000年も前からつくられていた。と考えるとほんとうに面白い。


ギルガメッシュとエンキドゥ

森の番人フンババ退治

親友となった二人はもう最強のコンビです。

自分と同等の力を持つ親友を得たギルガメッシュはレバノンの森の怪物フンババを退治しにいきます。

ギルガメッシュは途中劣勢を強いられ、挫けそうになりますが、エンキドゥに励まされ、戦いを続けます。
もうダメだと思ったフンババは、ギルガメッシュに命乞いをしますが、エンキドゥ「拒絶しろ!」といい、フンババを倒します。

フンババは神エンリルが創造し、エンリルの命で森を守っていました。
この事から二人は少しずつエンリルこ怒りを買うこととなります。

フンババ退治は、資源が豊富ではなかったシュメール人国家が、木材を産出する土地を支配下においたという史実が元になっているのであろう、と考えられています。


猛牛グガランナ退治


フンババを倒したギルガメッシュに、女神イナンナが恋をし、求婚します。
(この辺から、イナンナはイシュタルという記述に変わっていますがややこしいのでイナンナ書いていきます)
ですがギルガメッシュは、求婚を拒否し、イナンナは怒り、ギルガメッシュの元にグガランナという冥界の猛牛を送り込みます。

ギルガメッシュは初めは暴君で、女にも非常に好色な王でしたが、エンキドゥと出会うことにより王としての器量が大きくなり、女神からの求婚も断るまでになったというのがすごく面白いですね。

そしてギルガメッシュ、エンキドゥの二人は女神からの剣客グガランナまでも苦労の末、最後はエンキドゥが抑え込み、ギルガメッシュが心臓を握り潰すという連携技で撃破します。


フンババ、グガランナという神が創造したものを撃破したことにより神達の間で

「どちらかを殺すべきだ」

ということになり、エンリルがの提案により、もともとギルガメッシュを倒すために作ったエンキドゥを殺すべきだという結論に至り、
エンキドゥは病に倒れ、死ぬこととなります。

その後、ギルガメッシュはエンキドゥの死を悲しみ、死を恐れるようになり、不死を手にしようと様々な方法を試みますが、願いは叶わず王としてなすべきことを終えた後、安らかに眠りにつくのでした。


マルドゥク



このキャラクターは
シュメール→アッカドに続くバビロニア神話から追加され、エヌマ・エリシュという粘土板に刻まれた物語です。

マルドゥク知恵の神エンキの子供という設定になっています。

これまでと違い、天の神アヌの上にまだたくさんの神々が存在している設定なのですが、ややこしいのでだいぶはしょって紹介していきます。笑
ある時、天の神アヌの上の世代の神達が知恵の神エンキ初めとする新世代の神が、騒がしいからという理由で滅ぼそうとします。
それに気付き先手を打ったエンキはリーダー格アプスーを殺し、その遺体の上に自分の神殿を建て、子、マルドゥクをつくります。

しばらくすると、エンキに殺されたアプスーの妻、女神ティアマトは再び多数のモンスターを連れて攻めてきます。

マルドゥクは父エンキと共に、ティアマト達を退治し、神エンリルに至高神の地位を与えられ、神の頂点となります。

その後マルドゥクは、ティアマトの遺体を使い、天地を創造し、人間をつくります。
(この天地創造は北欧神話に似ていますね)

この物語はアッカドからバビロニアという支配が始まるに当たり、マルドゥクという新しい守護神を生み出しそのPRとして作られたエピソードで、目的がマルドゥクの凄さを強調することにあり、面白さはあまり考慮されていない物語になっています。


あとがき

 
先述しましたが、メソポタミア神話は大きく

シュメール神話  紀元前約4000年前~
アッカド神話   紀元前約2400年前~
バビロニア神話  紀元前約2000年前~

と、3つの神話に分かれています。
シュメール神話を元に、

アッカド神話をではギルガメッシュ
バビロニア神話ではマルドゥク

というキャラクターが追加され、元の形はあまり崩さずに混ざり合いながら形成されていったと考えられています。

バビロニア以降、

カッシートの侵略
アッシリア帝国
アケメネス朝ペルシア

と侵略の歴史が続き、徐々にメソポタミア神話の形は薄れていきます。
その後、アレクサンダー大王の東征により、ギリシャ文明と、メソポタミアを中心とするオリエント文明が混ざりあい、ヘレニズム文明が起こり、さらにメソポタミアの神々の信仰は薄れていきます。


ですが現代、石版等の解読が進むなかこのメソポタミア神話が世界最古なのではないかという考察がなされ、注目を浴びています。

色々と矛盾が多く、不確定な要素が多いので書くのもすごく難しかったこのメソポタミア神話。
ですが、この後生まれる数々の神話や、宗教等の元になっているこの神話。
解読が進むにつれ、これからも新しい発見がたくさんでてくることでしょう。

もしかしたらこの最古の神話、メソポタミア神話に今の私達にとってこの時代を生きるヒントとなるような事がたくさん隠されているかも知れません。



読んでいただきありがとうございます🙇‍♂️🙇‍♂️

このnoteを通して皆さんと一緒に自身の教養も高めていきたいと考えているので、なにか間違った知識等ありましたら遠慮なくコメント欄までお願いします🙇‍♂️


このnoteはある目標に向かって日々、勉強したことについて更新しています。こちら↓にまとめてますので良かったらご覧くださいm(__)m



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