見出し画像

共感的映画論❍映画監督 ウディ・アレン

 ウディ・アレン(woody allen)が監督した映画のほとんどは、皮肉とユーモアをちりばめた、いわゆる、コメディ映画である。
 彼にとっては、人間というのは、”コメディ”としてしか表現のしようのないものなのかもしれない。
  そして、撮影カメラをのぞく彼の眼は、恋愛や家族といった親密な関係において、どうしようもなく誤解や対立、憎しみ、孤独を深めていく、ひとりひとりの人間の姿を縁どる悲しいまでもの滑稽さを見つめながら、その滑稽さ(コメディ的なもの)の向こう側にある、個々の人間が宿す存在としての根源的な孤立性と、その時、この世界(他者)がみせる本質的な残酷さといったものを射貫いている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?