極東の中心でセルビアと叫ぶ

セルビアと言われてどれくらいの人がイメージが湧くだろうか?
ほとんどの人は言葉の意味がわからないだろうと思う。
旧ユーゴスラビアと言われてようやくわかる人が多いと思う。
そんな国のことに興味を持ったのは二十三年前のことだ。
中学生でスポーツを愛し、本を愛することに決めた私は私はスポーツノンフィクションを貪り読んでいた。
そんな中、出会ったのが下記の悪者見参だ。

私は衝撃を受けた。
私は小学生の頃から知識的マセガキだった。
ニュースを見て、新聞を読み、本を読み、世界の理を知った気になっていた。
ユーゴスラビア事情についても知識はあり、迫害されるアルバニア人と迫害するセルビア人という単純構図で理解していた。
この本を読んでその構図がわかりやすくあまりに単純化されたことを思い知った。
スポーツノンフィクションを求めて買った本作の中身は旧ユーゴスラビア諸国の骨太のルプタージュであった。
私はいまだあった事のないセルビア人に対し、悪者化した事を深く恥じた。
複雑化した社会の中で正義と悪などいないということを私に教えてくれた。
この本は私に物事を別視点から見ることの大事さを教えてくれた大事な一冊である。
この本を読んで以来、私はセルビア贔屓である。
ワールドカップではセルビアを応援し、予選突破時は歓喜している。
世界ではセルビアは嫌われ者国家だという。
コロナ禍のワクチン問題でジョコビッチが全豪オープンで入国を拒否された際に
セルビア大統領が
「セルビアだから拒否される」
と発言したニュースを聞いたりもした。
いまだにEUに入れない。
そんなセルビアに捧げたい。
ここにセルビア好きがいるぞーと。
極東の中心でセルビアと叫んでみた。

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