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レポートの書き方の解説見たけど読むのめんどくさ…というときに。見つけた文章の「論理を解読する」ためのコツ

はじめに

今回はレポートを書くための情報収集に関する話をします。
本来はこの記事でレポートの例題を実際に解く過程を公開する予定でした。
レポートには文章の「型」が存在し、それの習得にはたくさんの「具体」の集積が必要だからです。

そこで色々とレポートの書き方について調べてみました。
レポートの書き方について書かれたブログなどはたくさんあります。
それを「真面目に」読めば、おそらくレポートが書けるようになるでしょう。

しかしそうした情報を読んでいてわかったことがありました。
それは
「読むのがめんどくさい」
ということ。
おそらくレポートの書き方を調べている方は
「レポートの書き方を知りたい」
とは思っているものの
「レポートの書き方について書かれた文章を解読したい」
とは思っていないと思われます。

レポートの書き方を解説する場合、どうしても「型」にこういう情報を書くという具体例を当てはめて、「こんな感じに書く」という体験をしてもらうという構成になりがちです。
つまり一つのまとまった
「論理」
を理解しなければいけないという状況になります。

論理を理解するのは大変です。
小説のように情景描写と心理描写が書かれているわけではない。
抽象的な言い回しが続いて、読もうとすると
「うわっ」
っとなります。

私は文章を読むのも書くのも苦手だったからわかります。
レポートを書くのが苦手な人はそもそも
「読む」
ということにアレルギーがある。
これは
「読むこと」と「書くこと」
が表裏一体だからです。
文章を書くためには
「たくさんの良い文章のストック」
が頭の中に必要です。
自分の書いた文章の「おかしさ」を認識するためには
「基準になるたくさんの正しさ」
が必要です。
それはたくさん正しい文章を読むことでしかストックされません。
「書くこと」が苦手ということは、つまり「たくさんの正しさがない」状態なのです。
つまり
「活字に頭が慣れていない」「蓄積した活字量の総量が足りない」
ということになります。

この状態でレポートの書き方に関するブログなどを見ても
「めんどくさ!」
となります。
記事の「ロジック」を理解できればレポート作成力は上がる。
でもそもそも
「ロジックを解読する力が足りない」

そこで今回はレポートの書き方そのものを習得するための情報(つまりレポートの書き方についての記事や書籍)を
「解読する」
ために必要なことを
「超初心者」
のレベルからサポートする記事とします。
これができれば「レポートを書くために収集した資料」
を読むときも役立ちます。こういう資料も抽象的な言い回しで「ロジック」で書かれていますからね。

ブログ形式は活字を読むことを難しくしている

ブログは非常にわかりやすく情報がまとめられています。
ただしこれが逆に「ロジック」を読むことを難しくしています。
というのもブログは
「リスト」
形式にまとめられています。
文章の後か初めに
「まとめ」
みたいな箇条書きが頻繁に出てきますよね。
普通はそのリストだけ読めばだいたいそのブログで言いたいことが解るように作られています。
要するにインターネットの情報は
「パワーポイントのスライド」
に近い情報だということです。
文章で相手に理解させるようにはできていないのです。
つまり文章を読もうとすると、慣れ親しんだ
「箇条書き」
で高速に内容を理解したいという脳のモードになって、文章を読むのが
「じれったい」「時間の無駄」
みたいな感覚になってしまいます。
つまりブログ形式で物事を理解しようとすると
「文章が読めない」
状態になります。
しかもレポートの書き方系ブログの肝心の「難しい」部分は文章で書かれているので、結局何を言っているのかわからない、理解するのがめんどくさいとなってしまうのです。

まずはロジックへの忌避感を減らす

目標は
「活字に慣れる」
こととします。
要するに絵や箇条書きに頼らずに文章だけの本を読めるようにするということです。
これから色々と書いていきますけど、活字、つまり「ロジック」への忌避感を少なくして、活字がやってきても「うわっ」っとならない状態に持っていくことが目標です。

システム1とシステム2

私たちの脳には「システム1」と「システム2」があると考えられています。
システム1とシステム2は次のように説明されています。

・「システム1」は自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。

・「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。

(1)ダニエル カーネマン 著, 村井 章子 訳,ファスト&スロー (上),早川書房,2012.

またシステム1とシステム2の具体例の一つとして次のように解説されています。

ではここに、システム1が自動的に行うことの例をいくつか挙げておこう。

・簡単な文章を理解する。

システム2が行うことの例を挙げておこう。

・複雑な論旨の妥当性を確認する。

参考(1)より

つまり文章を読むときは、簡単な日常的な文章ならシステム1が働き、難しいロジックを解読しようとするとシステム2が働きます。

またシステム2の特徴は次のように言われています。

ところがシステム2は怠け者という性格を備えており、どうしても必要な努力以上のことはやりたがらない。

参考(1)より

つまり基本的にシステム2を使う必要のある、活字を読むという行動は、システム2の怠惰にはじかれて、実行に移しにくいのです。いかにシステム2の怠惰に引っかからずに活字を読むのか、ということが重要なのです。
そのためには「難しい」「複雑だ」「できるならとにかく避けたい」といった感覚を避けていく必要があります。

興味がある本を読む

興味がない難しい本を読むのは苦痛です。
人間には損をしたくない心理があるというのは、よく経験すると思います。
興味がない難しい本は時間という有限の大切な資源を大量に費やすのに、得られることが何もないので大きな損失です。
つまり興味がない本はまずこの「損失回避」のシステムに引っかかって、脳はそこから遠ざかりたいと強く感じてしまうのです。避けられるなら避けようとするんですね。システム2が機能しなくなります。

そこでまずは興味がある分野の「マンガではない」本を読んでみましょう。
最低でも「マンガでわかる」系の「文章での解説」を読むようにしてください。
そうすれば「興味がある」「知りたい」内容が書かれているので「損失回避」に引っかからず、かつ何らかの「説明」を文章で読んでいるので、「ロジック」への忌避感を薄めることができます。

難しいならもっと簡単な本を読む

読んでいて難しいなら、それはあなたの今のレベルに合っていません。
そのまま進んでも「多大な労力」を費やすと脳は一瞬で判断します。
すると「他にやりたい楽しいことがたくさんある」「他にやらなければいけない仕事がある」と脳は判断し、「多大な労力」から遠ざかろうと一瞬で判断します。
こうなると本が読めなくなります。
そういうときは、多少予算をかけても、簡単そうな本から読みましょう。
自分のレベルに合った本なら、「多大な労力」でシステムから「これ無理」と判断される状態を回避することができます。

ただしレポート作成時は「興味がない」本を解読しなければいけません。
すると「時間の無駄」と判断されやすくなります。
しかし
「簡単な入門書」
なら
「まあこのくらいなら頑張ってもいいか」
となりやすくなるため、興味がない分野でも頑張れる可能性が高まります。
まずは簡単な本を探して読んでみることから始めましょう。

いきなり全部読もうとしない

活字が苦手な私の経験から、活字が苦手な人が一回の読書で読めるのはせいぜい
「4000文字」
くらいです。
つまりブログ記事一つ分程度。
これ以上は頭が受け付けません。
日常で触れている文章はたいていブログみたいな媒体です。
それが大体4000文字くらいで書かれているので、私のように活字が苦手な人間は
「文章とはブログ記事のこと」
と認識している節があります。
なのでこれを超える文章は
「慣れないこと」
をするので頭は拒否反応を起こします。慣れないことは多大な労力を必要とするからです。避けられることは避けようとする。システム2の性質です。

だいたい読んでいて
「疲れたな」「これ以上は読みたくないな」
という感覚はわかると思うので、そうなったらいったん休憩しましょう。
そして、頭が休憩出来たらまたブログ記事一つ分くらいの量を読む。
その方が結果的にたくさんの量を読むことができます。

読書をする時間を作る

活字が苦手な人にとって、読書は頭の体力を大量に使うビッグイベントです。
これを片手間でやろうとすると、いつまでも
「頭の体力が足りない」
と先延ばしして読書が始まりません。
「一日のこの時間はちゃんと読書する」
と決めて取り掛かるようにしましょう。

雰囲気は大事

ガチャガチャと工事現場の音が聞こえる空間より、心地よい音楽が流れているカフェで、コーヒーを飲みながら読書したほうがはかどります。
家で読書するときも、ソファーの上でテーブルにコーヒーでも用意して、一人になれる空間でゆったり読書したほうが継続しやすいでしょう。
雰囲気を意識してみるのも大切です。

まとめ

今回はレポートを書く技能を習得するために、まず「ロジック」を理解する必要があることを述べました。
しかしロジックは頭に負担がかかるので、脳はそれを理解することから遠ざかろうとすることを述べました。
そうならないために、「興味がある本を読む」「難しいならもっと簡単な本を読む」「いきなり全部読もうとしない」「読書をする時間を作る」「雰囲気は大事」という対策を述べました。
こうした対策を実行して、活字に慣れていきましょう。
収集できる情報の種類が増えて、より知識が深まりますし、レポート作成のための勉強もはかどるでしょう。



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