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【日経ヴェリタス】IPO、目利きに勝機あり 熱気なき「23連勝」の先

気がつけば、連勝記録は「23」まで伸びた。新規株式公開(IPO)の初値が公開価格を上回る「白星」が7月28日以降、3カ月以上にわたって続いている。
この間、米国の利上げペースをめぐる思惑や世界景気の後退懸念から、株式市場は大きく乱高下した。右肩上がりの相場環境ではないだけに、IPOの堅調さが一層目立つ。個人投資家を中心に「世界景気の影響を受けにくい、内需中心の中小型株を選好する動きが出ている」(三井住友DSアセットマネジメントの金子将大シニアファンドマネージャー)ことも下支え要因となっている。
「上場ゴール」減る
2022年のIPO件数は11日時点で73社。通年では125社に達した21年から大幅に減る見通しだ。今年前半に市場環境の急変を受けて上場を延期した企業も多い。裏を返せば、逆風下でも市場に十分評価されると見なされた企業だけがIPOに踏み切っているとも言える。


「公開価格の値付けが妥当になり、いわゆる上場ゴールも減ってきている」。アセットマネジメントOneの岩本誠一郎ファンドマネジャーは最近のIPOをこう評価する。上場直後に初値が異常に高騰し、すぐに暴落するといった極端な値動きをする銘柄は少なくなっている。短期の値幅取りではなく、中長期の成長を期待する投資家にとっては良い変化が起きているとの見方だ。

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