(第4回)網膜色素変性症と診断されてからやっておいた方がいい事

こんにちは。
今回は網膜色素変性症と診断されてから今後の病気の進行に備えて、やっておいた方がいい事を個人的見解を交えてお伝えしたいと思います。

今回この記事を書いた理由は、これから
書く事をやっておくことで、今後のQOLの低下を緩やかにできる、失明が近くなってきてもできる事を増やしておくことができる。という事をお伝えしたいからです。

生計維持の為の資金の工面や制度の活用だったり、日常生活の行動範囲を狭めたりする事を防いだり、家の中にいても楽しめる事を増やしたりと、今、見えている内に日常から様々な経験を少しずつ積み立てておく事で自分の生活しやすい環境を整えておくとが非常に有益だと個人的には思っています。

下記に簡単に項目立てて記してみます。
個々の項目の詳細は、またどこか別の記事で詳しく解説したりお話ししたいと思っています。

ー見える内にやっておいた方がいい事ー
・イベント等の外出等でよく行く場所の目的地までのルートや周りの位置関係等を身体で覚える。
→日常生活でもそうなのですが、目的地までの道のりや位置関係を身体で覚えておくと、病気が進行した後もある程度、その記憶を元に1人でも辿り着くことができます。
この駅のどの辺りで降りて、どの方向に、どの程度歩いて、階段を上がったり登ったり、どの出口を出てどれくらい歩いて、横断歩道をいくつ渡って等を身体に染み込ませておくと人での外出でもなんとかはなります。(時間がかかるかもしれませんが)
病気が進行してくると、外出を諦めるという選択がある程度増えてくるとは思うのですが、見えている内によく行く場所の地理情報を身体で記憶しておくことで外出を諦める選択肢を幾分か減らすことができると個人的には実感しています。
実際、病気が進行する前によく行っていたコンサートホールとか劇場までの道のりは割と頭の中で残っていて、それを頼りに1人でもなんとかたどり着けた警官があり、このことは同じ病気の方にお勧めしたいことだと私は思っています。

・電車の駅で、よく使う路線の乗り換えルートなどはホームのどのあたりに乗り換えの階段があるか、改札があるか等を身体で覚えておく。
→前述の内容と似た内容になりますが、病気が進行してくると、電車の乗り換えにもとても支障をきたすようになります。
実感としては、乗り換え訪問の案内表示がとにかく見つからない、どこへ向かって歩いたらいいのかがわからない。というが頻繁に起こるようになります。
この時に、やっぱりある程度普段からよく使う液については階段やホームの位置関係を身体で記憶しておく事で勘を頼りにして目的地まである程度たどり着くことができるようになります。
日常生活でも目的の場所をある程度身体で記憶しておくというのは大事だと思っていて、たとえばスーパーで買い物するときに、欲しいものが大体どのコーナーにあるか、というのは病気が進行してくるとかなり探すのが難しくなってきます。
細かい調味料などの置き場所とかはある程度棚の位置を把握しておくと今後の生活に非常に役立つと思います。

・行政の各種支援制度(障害者手帳の取得方法、障害者支援サービスの利用方法等)の存在をある程度把握しておく。
→今後、病気が進行してくると否が応でも行政の各種支援制度を利用する必要性が生じてくると思います。
その時に壁として立ちはだかってくるのが各種支援制度の概要の把握だったり煩雑な申請事務の負担です。
基本的には行政の制度というのは説明が堅い文章で記載されており、わかりにくいこと、いざ支援制度を利用しようとしても申請用紙を書いて病院で診断書を書いてもらって役所で面談を受けてと、とにかくやることが多いのとわかりにくい。
割とすぐ支援が欲しいと思ってもこういった事務仕事に時間を取られて実際に支援を受けられるのはだいぶ後…なんて事を個人的には経験しました。
全くのゼロからこれらの制度を調べて、申請していくというのは正直、かなりの負担です。病気が進行してきて読み書きが辛くなってきた時にいざ動こうとなると余計に負担が大きいと思います。(実際、私はこのケースで本当にしんどかったです。)
なので見えているうちに、軽くでいいのでどういった支援制度があって、どういった手続きが必要で、どこが管轄しているのかというのはある程度知っておいた方が、今後病気が進行してきて、支援制度を利用する時のフットワークが軽くなると思います。
色んな支援制度については私も今後、記事にしてある程度わかりやすい説明をしていきたいと思っているのでそれも参考にしてもらえたら嬉しいです。

・網膜色素変性症と診断されてから1年半〜9ヶ月の間には必ず病院で視野検査を受ける。(病気が進行した時に障害年金の申請を遡って申請することで障害年金のもらい漏れを防げる。)
→今後病気が進行してくると障害年金の受給を検討するようになるかと思います。
でも、どのくらいの進行度で障害年金がもらえるかわからない、実はもっと前に申請していれば障害年金を早くもらえた、という事があるかもしれません。
障害年金は申請方法が2種類あって、事後重症と言って、病気が進行してきたその時の時点の障害状態で障害年金を請求して、認定が降りたら請求時から障害年金をもらう事ができるというのが大体です。
ただ、もう一つ訴求請求というのがあって、過去の障害状態が障害年金をもらえる状態であれば、5年までは後から遡って障害年金の請求を行う事ができるしくみがあります。
これを利用するには最初に網膜色素変性症の診断を受けてから1年6ヶ月〜9ヶ月の間に障害年金がもらえる状態であったと診断書で書いてもらう必要があります。
その為には病院で診察を受けておいてカルテを残しておく必要があります。
この時点で障害年金をもらえる状態まで病気が進行しているかどうかは人によるところもあると思うのでわかりませんが、ただ、診察自体受けていないと訴求請求そのものができないのでとにかく受けておく事が重要だと思います。
その時の診断書を一度書いてもらって、それを社労士さんあたりに一度見てもらえれば訴求請求できるかどうかがわかるのかなと思います。

・デジタル機器(スマートフォン、タブレット、その他機器等)の活用を常日頃から意識する。
→近年のデジタル機器の進歩で視覚障害があってもできることが格段に増えています。
それと同時に機器の進歩のスピードも凄まじいので、利用方法や仕組みそのものが頭に入ってこない…ということもあるかと思います。
今のうちに少しずつでもいいのでデジタル機器の活用をする癖をつけておくと何かと便利だと思います。
身近なもので言うと、iPhoneで色んなことができるようになるといいと思います。
画面の読み上げ機能で本を読む(聴く)こともできるしラジオも聞けるし、アプリを使用してビデオ電話でボランティアの人に手助けをお願いすることもできるし情報収集でも活用できるしとにかく色んな事ができます。
将来的には画面を見ずに音声読み上げ機能(ボイスオーバー機能)を活用することで文字や画面が見えなくなっても使える方法もあります。今のうちにスマホで色んな事ができるように試してみるのもいいと思います。

・職場でも家庭でも、誰か相談に乗ってくれる人、話を聞いてくれそうな人を1人でも増やす。
→病気が進むと仕事や日常生活において生活様式を大きく変化せざるを得ない局面がどうしても生じてくる場面があります。
その時の精神的負担は非常に大きいです。
周りに支援を求めるために、多くの人に自分の症状を説明し、支援を求めないといけない。でも周りの人は症状があまりイメージできないし何をどう支援したらいいかもわからない。という反応が多く、説明や支援を求めるこちら側の労力がとても大きく、負担になります。
これれの労力を1人ではなく、多くの人に繰り返し説明していく根気のいる作業が必要になります。
その時の負担を少しでも和らげるためにある程度症状が進行する前から、話を聞いてくれそうな人、これからの生活や仕事の仕方を一緒に考えてくれそうな人を1人でも多く見つけて、いつでも相談できるような人間関係を構築することを意識するのは非常に効果的だと思います。
世の中、正直なところ、生涯に対して全く理解のない人や否定的な人は身の回りにいます。
そういう人から身を避けて、頼れる人にいつでも頼れる状況を作っておくのは本当に大事だと実感しています。

・情報収集のアンテナを張る事を意識する。
→ネットの普及で色んな情報が手に入るようになりました。これは十二分に活用した方がいいと思います。
LINEのオープンチャット機能を通じて網膜色素変性症のコミュニテぢに参加する、YouTubeで障害福祉の色んな制度の仕組みを把握する、ツイッター(X)で同じ病気の人と繋がる、ニュースサイトで網膜色素変性症の治療法等の関連情報を入手する。
とにかく色んな情報を得られるチャンネルを持っておき、情報が入ってくる環境を構築しておくことは自らの生活を助けてくれるはずです。

・ちょっとでも行ってみたいと思った、思っている場所やイベント等は今のうちに行けるだけ行っておく。
→正直なところ、1人での外出はだんだん厳しくなってきます。
人生で一度は行って見たいところとか、行って見たいアーティストのコンサートなどはできるだけ今のうちに行っておいた方がいいです。
お思い出を少しでも積み立てておくと、後から「あれは楽しかったな、行っておいてよかったな」と思えることは多く、精神安定面でも多く役に立ってくれます。

以上、見えるうちにやっておいた方がいい事のリストでした。
書き終わってみるとそんなに大したことは書いてないような気もしますが少しでも参考にしてもらえると嬉しいです。

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