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AM5:30の卵焼き

我が家の小さき人は、
今の所、食に関しては
ちょっとしたこだわりと食べムラがあり
日々振り回されている。

そんな彼は
卵焼きと豆腐だけは
大好きなもんで、

ここ二週間くらい、
早朝に卵焼きを作り続けている。

(スクランブルエッグじゃダメなんですよ、
卵焼きにしたって、どうせ小さく切るのに…なぜ?笑)


卵焼きってのは、
その日の自分のコンディションが如実に表されたりする、
地味に奥深いメニューだと思っていて。

少しでも心がざわついていたり、
浮き足だってたり、
ちょっとした心のリズムが
巻き具合に見事に反映される。
(これって私だけ?)

たった5分くらいの工程なんだけど、
その中で、今日の自分を俯瞰してみたり、
ふつふつ表面が焼けるのを見つめながら
自分の中の〝卵焼きの思い出〟が
湧き上がってきたりと、

私の中では、日に日に味わい深い時間になってきている。

〝卵焼き〟ってワードの脳内引き出しには、

お母さんのふわふわの卵焼き
おばあちゃんの大胆な甘ーい卵焼き
お父さんの緻密な卵焼き
親友が作ってくれたお弁当の卵焼き
学生時代のバイト先の居酒屋の卵焼き

……いろいろあって。
ふと、あれこれ思い出しては、
懐かしくも温かい気持ちになって
朝から1人、むふふってしてる。

そして、いつか
私の卵焼きが、
息子にとっての〝おふくろの味〟っちゅうもんに
なるのか〜、
あー、私ってお母さんなんだなぁ〜

なんて、しみじみ当たり前のことを思えるのも
これまた乙だったり。


私の両親や祖母はもう他界しているので、
あの味をいくら食べたいと願っても
それはもう叶わない。

味覚の記憶が、
感謝と愛情をつないでくれている。

そして、思い出すたびに
〝頑張れ〟って応援してもらっている気持ちになる。

わたしは、これから何回、
夫と息子に卵焼きを焼くんだろう。

わたしの料理が、
彼らにとってどんな思い出になるんだろう。

ちょっと大袈裟かもしれないけれど、
そんな先のことにも想いを馳せてみたり。

今もこれからも
〝今日も健やかに✨〟っていう
シンプルな念だけを込め続けていくんだろうな。

小さき人が巣立つ時には、
実家の食卓には、たくさんの愛情が
散らばってたな、
なんて思ってもらえたらいいな。
そしてそんな家庭を彼自身も築けたら…。

そんなほんわかする妄想もしてみたり。

はてさて。
息子氏の卵焼きブームがいつまで続くのか、
乞うご期待あれ。

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