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しおの雑文庫

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つれづれよりもラフに、楽に。 雑な話をしていく。 iCaとかで適当にテーマ決めて書きます。
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2019年9月の記事一覧

好きなものをタスクと課すか、否か

好きなものをタスクと課すか、否か

物事を決めるのが苦手だ。
というより、趣味で時間や期間を決めるのが得意ではない。創作についても書いたら見てもらいたいので半タスクという感じではあるが、本当なら半永久的にサボりながら書き続けたいところである。
社会人になってから、自分のために取れる時間というものは減った。決まった期間の決まったタスクがあるため、休日くらいはなにも決めずに過ごしたい。「なにかをし

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星の箱

星の箱

 箱をこじ開けると、悪魔が飛び出た。
 星雲とブラックホールを混ぜ合わせたような靄は響く笑い声とともに渦を巻き、ヒトの形を成していく。掌に乗るほど小さな箱の上に、先の尖った靴が揃えて乗った。重さがまるでない。ホログラムでないのなら、悪魔だ、と青年は思った。
「眩しい!」
 細身ので長身すぎる、真っ黒な服に身を包んだ男は、近すぎる照明に退いた。
「箱を地面に置くかなにかしてくれないか」

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ハッピーエンドの天才

ハッピーエンドの天才

 ハッピーエンドが好きだ。切ないオチやホラーのような、後味の悪いエンドも味だ。嫌いではない。

 わたしは創作に置いては雑食、というか、何でも「好き」だと言ってしまう。芥川竜之介の「河童」も「歯車」も好きだし、川端康成の「屋上の金魚」も好きだ。でもクレヨンしんちゃんのような、パワフルでおばかなものも好きだ。最近だと「プロメア」を観た。あれは熱くて、元気になった。

 ディズ

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「あそこにベンツが停まっていますね」から始まるBL

あそベンBL

「失礼。煙草いいですか」
 顔色の悪い、よれたスーツを着た男から声をかけられた。ぼんやりと座っていた眼鏡の男は、少し慌ててあたりを見渡した。公園には子連れの親が数人いたが、距離は離れていた。
「ええ、どうぞ」
 身を縮めて、ベンチの隣を空ける。
 顔色の悪い男が首にかけているストラップが、同じ会社のものだった。
 見たことがない。階か部署か、異なるのだろう。
 男はどっかりと腰を

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