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あまあまとぶっきらぼう

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自分に無関心なぶっきらぼうを甘やかすあまあまの話です
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微熱

 彼はいつも、僕のことを「甘い」と言う。
 それは僕の態度のことであり、決して僕自身の血肉の味のことでないことは、承知している。僕は彼の口に含まれたことがないから。
 しかし、思うのだ。
 甘味というものは、温度が高くなると感じやすくなる。
 だから、きっと今の僕をかじったら、彼の口にはさぞかし甘いんじゃなかろうか、と。
「またくだらないことを考えているだろう」
「なにも言わないうちから、ずいぶん

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甘い

 口に甘く感じるものは、生きるために必要なものだ。
 例えば糖。脳の燃料だ。これがなければ考え事もできないし、体を動かすこともできない。
 例えば脂。これもエネルギーになる。足りなければ肌も荒れる。
 甘味料はともかく、糖や脂は必要量を摂取しなければ健康でいられない、生きるのに必須の栄養だ。
 甘い、が幸福に直結するともいわれるのは、命を保つために必要なものだからだろう。なければ死ぬ、あれば死なず

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