飯嶋シロ/ シロの独活

34歳独身ライター。結婚しないしできないし、シスターフッドというほどの絆もない著者が生…

飯嶋シロ/ シロの独活

34歳独身ライター。結婚しないしできないし、シスターフッドというほどの絆もない著者が生きているの楽しくすることについて日々チャレンジ

最近の記事

言葉を探す

最近、都会の喧騒から逃れるための小さな旅をしている。 旅行と言っても、遠くの国や都市を目指すわけではない。近くの公園やカフェ、古本屋を巡るだけの小さな冒険だ。 しかし、この小さな冒険の中で私が最も楽しみにしているのは、新しい言葉との出会いだ。 都会の中で忙しく過ごす日々。スマホの通知や仕事のメール、SNSの更新。 これらの情報の波に飲み込まれると、ある特定のコミュニティができてしまい、その中で伝わる言葉しか使わなくなってしまう。 しかし、近所をふらっと旅をすると、普

    • 持ち物は「詩集」、言葉と旅をする

      「どこか行きたい」と思うと、その日のうちに近い予定の休みを抑えて旅立ってしまう。 それは、当日思い立ってと言うことも多く、計画性はない。 そして、ずぼらな私はたとえ計画性があっても、旅行の当日に荷物の用意をするありさまだ。 とりあえず、財布。道を調べるためにスマホ。あとは化粧品やら衣服やらを詰め込んで、とりあえず東京を後にする。 去年長野に行ったときなど、突如安曇野でトレッキングをしたくなり現地でバックパックを購入した。 多分、用意周到派の人からすれば奇行としか思えな

      • 「あなたが幸せになることが前の彼氏への復讐」とか言われるけれど、それくらいなら幸せにならなくていいよ

        結婚を約束していた彼氏と別れたときに、よく泣いていた。 仕事に支障が出ないようにしていたけれど(支障は出ていたけれど周りがカバーしていたパターンもありうる)、昼休みに、帰り道に、ふと携帯をいじっているときに、よく泣いていた。 失恋したということで友人に飲み会をしてもらったこともある。 しかし、結婚間近だったこともあり、もう今となればその人が好きだったのか結婚ができないことに涙していたのかわからないけれど、何ヶ月も引きずってはふと涙ぐんでしまう私に会社の先輩が声をかけた。 「

        • 創作するとき考えるのは「仮想の基盤を固める」こと

          最近、大手マンガアプリの会社の原作者として企画と脚本のコンペに出た。 ロマファンと呼ばれるロマンスファンタジーに着手したのだが、魅力的なキャラクターやストーリーは勿論のこと、「仮想の基盤を固める」ことの重要性について実感した。 どれだけ現代日本から離れた設定でもいい。 ただし、仮想世界について詳細に考えて考察しておかないと、物語が破綻してしまう。 逆に言えば、現代をテーマにした世界を書いたところで、その世界が詳細に寝られていないと、読者から「?」と言う声があがってしまうだ

          旅行記|カタールの砂漠の真ん中でエンストして絶望する

          カタール現地で働いている友人がイラク人の旦那さんと結婚するということでお祝いに行った。 飛行機の離陸時間が早まって成田空港を爆走したり、エコノミーで隣の人にもたれかかられてあまり寝られていない上、金曜の仕事を終えてからのカタールだったので、友人と会う時はもうすでに満身創痍だった。 友人カップルに「結婚おめでとう」を伝えてプレゼントを渡す。 江戸切子のペアのグラスにした。 超慎重に持ってきた逸品である。 「エキゾチック!日本!」と旦那様が喜んでくれたので良しとする。 ガラスが割

          旅行記|カタールの砂漠の真ん中でエンストして絶望する

          婚活戦記|年下男性に「先輩」呼びされるごとに恋愛感情が薄くなる

          婚活をしていた時に、1つ年下の男性と婚活アプリでマッチングしたことがある。 私は年上ばかりと付き合ってきたので、あまり年下男性に馴染みがなかった。 そしてこの一件でさらに年下男性に対して興味が無くなってしまった。 いや、世間一般の年下男性が私の出会った人と似ている訳ではないことも分かっている。変に、「年下男性」なんて大きなレッテルを貼ることは間違っていることは重々承知だ。 ただ、こんな風に言われる可能性が微弱でもあるならば、そもそも年下男性とマッチングしなくていいや、と思っ

          婚活戦記|年下男性に「先輩」呼びされるごとに恋愛感情が薄くなる

          小説|月影の陽だまり

           月が映すひかりのことを、月影と呼びます。  揺れるひかりの粒は太陽の反射した残り香だから、いっとう純白なきらきらしたものを影と名付けたのだそうです。  もし、この月白をひかりと呼ぶならば、闇にしか生きれない僕を『悪』以外にも呼ぶことが出来るのでしょうか。 「結局、君なんてゴミ処理機のようなものなんでしょう」  冬の凍える雲に包まれた夜が生ぬるく世界を包む日に、僕は食事に出かけました。それはそれは厚い雲が空を覆うから、星の雫さえ地上を濡らすことのできない、灰色に濁った夜で

          小説|月影の陽だまり

          旅行記|味気ない旅と思ったら香りがない旅だった

          味気ない旅だと思った。 コロナ禍で、海外旅行者の少ない紅葉の季節に、奈良へひとり旅に出たのである。 もみじは青空に燃え立つように映え、イチョウは苔むした屋根に葉を落として、歴史を築いた神社仏閣の中で、今を生きる木々たちがひっそりと秋の終わりを告げている。 朝起きて思い立った場所に出かけられる贅沢さを満喫しながら、寂しさは感じていなかった。それなのに、何かが足りなかったのである。心にある正体不明の違和感に名前を付けられず、訝しがりながら旅を続けていた。 あまり有名ではない寺

          旅行記|味気ない旅と思ったら香りがない旅だった

          「特別」って「有名になること」だけではないよね

          「君は世界に一つだけのオンリーワン」  という花屋の花がそれぞれ綺麗だねという話でもなく 「なぜなら彼もまた特別な存在なのです」  なんて特別な製法で作られた甘い飴の話をするわけではない。  猟奇的な殺され方でもしない限り世間のニュースを騒がせることは現状態では予定がないくらいの無名な1/60億人である。かといって、自分と全く同じ個性を持つ人は皆無であるから唯一無二ともいえる。まあ、こういう人を褒めるソングが多いこと。確かに唯一無二だよ、花屋の花はそれぞれ綺麗だよ、野草だっ

          「特別」って「有名になること」だけではないよね

          推しもシスターフッドもない中で生きていく

           最初に述べておく。  結婚もしていないし彼氏もいない。  その上で、押しもいなければシスターフッドと言えるほどの友人もいない、  「女性の幸せ=結婚オンリー」といった価値観が崩れつつある。独身女性の私としては、生きるのが楽になった良い時代になりつつあると思う。  私が新入社員の時は、新人歓迎会で「ところで寿退社狙いでしょ」「女性はクリスマスケーキと同じ価値っていうんだよ。え?知らない?25歳がピークであとは売れ残りっていうこと」などと言われた。上司や先輩と言えど、初対面の

          推しもシスターフッドもない中で生きていく

          猫になりたいけれど、残念ながら霊長類に生まれました

           猫っぽいね、とよく言われる。  「気分屋だね」、「人を振り回すね」、「自分勝手だね」、ということをオブラートに包んだ上で、丁重に熨斗をつけて贈られた言葉だと思っている。別に言いたいことも言えないこの世の中にポイズンしてもいいが、特段相手に嫌われようと思わなければ、こうやって優しい言葉に包むことも良いだろう。  しかし、どんなに猫っぽくても、猫にはなれない。  高いところから落ちれば骨折もするし、誰から見ても可愛い(個人の感想です)容姿で、そして群れをつくらないで生きてはい

          猫になりたいけれど、残念ながら霊長類に生まれました

          笑ったけれど、痛いと言えばよかった

           よく愛想笑いをする。  あまり争いごとが得意ではないからだ。  自分が中学生の時は、別に争いごとが苦手ではなかった。  自分なりの正義があったし、おかしいと思えば主張していたし、自分が傷つくことにおかまいなく、相手が傷つくことに鈍感だった。  ただ、自分の主張というものが必ずしも「正しい」ことではなく、他人と円滑に人間関係を結ぶのが「大人になること」と思い始めた16歳の頃から、私は嫌なことをされても「やめてよー」と愛想笑いすることを選んだ。  別にこれが間違いというわけ

          笑ったけれど、痛いと言えばよかった

          ベーシックインカムがむき出しにする、『マズローのどの欲求に比重を置くか』という個人の価値観

           イギリスで、ベーシックインカムが社会的にどのような影響を及ぼすのか実験が行われるとニュースで聞いた。ベーシックインカムとは、ざっくりというと毎月無条件で最低限の所得が配布される制度である。  月額1,600ポンド、日本円に換算すると28万円弱が支給されるらしい。  イギリスの物価をいまいち把握していない私だが、日本よりやや高めと考えると確かに暮しには困らなさそうな金額である。なんなら新卒の時の私の手取りの方が断然に安い。  さて、ここで議論の一つとなるのが「お金に困らな

          ベーシックインカムがむき出しにする、『マズローのどの欲求に比重を置くか』という個人の価値観

          起案|人生の迷子は、師匠となるメンター様と出会いたい(noteのサークル機能を使って)

           今日も、人生という大規模な渦の中で迷子である。  働き方、仕事のスキル、恋愛と結婚、投資、老後のプランなど、あげていったら寿限無の名前より圧倒的に長いだろう悩みはつきない。  大企業で安心したい気持ちとフリーランスとして働きたい気持ち  ビジネススキルを伸ばしたい気持ちとクリエイター技術を伸ばしたい気持ち  価値観を認め合う人と結婚してメンタルを落ち着かせたいと思う気持ちと、むしろパートナーがいるからこそしんどい時の気持ち(これは未婚なのでどちらも想像)  それぞれを具

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          婚活戦記|「いいね」が増えていけば増えていくほど好きな人と出会えない

           マッチングアプリ歴は通算1年半ほどの33歳である。  しかし、一度も長いお付き合いをできていない。  マッチングアプリではpairsであれば500いいね+であるくらいに、「いいね」はもらえてしまう。ただ、どうしてもしっくりと来る人に会えないのだ。  お前の希望が高すぎておかしくなってるんじゃないか?  この質問にはYESともNOとも言える。  体感ではあるが、2017年くらいまで、マッチングアプリは「出会い系」と呼ばれ、何か後ろ暗いイメージであった気がする。だから、出会

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          旅行記|海外旅行は家を出たときから始まっている

           2018年5月、大学時代の友人が結婚した。  お相手は、彼女が働いているカタールの地で出会った中東圏の人だった。 実際の式の日は、私の親戚の結婚式の人かち合ってしまったため、その前々月である3月に婚約祝いという形でカタールへといった。  ところで、私は海外旅行好きであるが、現地で必ずと言っていいほどトラブルに合うことが多い(空港を出て20歩経たない間に、日本人のカモっぽい感じを気取られて話しかけられる)  そのため、ひとり旅の海外旅行は治安が安定した場所しか行かなかった

          旅行記|海外旅行は家を出たときから始まっている