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痛み

お山のような大きな滑り台で、子どもが一人で滑れないので、お膝に乗せてと言う。部屋着のリラコで出てきたので、汚したくないなぁと、おしりがつかないよう、しゃがんで娘を膝に乗せて滑ったら、途中、塗装が剥げているところで引っかかり、大きくつんのめった。

このままだと、子どもともども顔面着地となると思い、咄嗟に子どもを庇ったら、肘を強打してしまった。

子どもはびっくりして大泣きしたものの、なんとか無傷で済んだ。私は肘と膝を擦り剥き、痛みに呻き声をあげた。

痛すぎてしばらく立ち上がれなかったが、なんとか起き上がれた。なぜか貧血のように目眩もしたが、次第にそれも落ち着き、肘も多少動くので、折れてはいなそうだ。しかし曲げると痛むので病院に行った。

年季しか感じられない、水木しげる先生のようなおじいちゃん先生が、肘を消毒してくれ、レントゲンを撮ってくれた。

幸い骨は折れてなかった。

肘鉄砲というが、出っ張っているところを強打したから関節が痛むんだよ。傷はそうでもないけど、痛いでしょ?当面痛みが続くよ。でもよかったね。折れてなくて。小さい子どももいるから大変だよ。

と、真顔で何度も繰り返すので、おじいちゃん先生の味しかない言葉が楽しくなってきて、思わずほんと痛いですよ、と笑ってしまった。真顔のユーモアというのは、齢を重ねたユーモアというのは、いつも本当に素敵で癒される。

私は骨折したことがないので、腰痛以外のレントゲンは初めてで、肘の骨って美しいなぁと思った。娘に、これはママの骨だよというと、娘は骨とはなんぞや?という顔で、キョトンとしていた。

それにしても、腕がほとんど動かないので、髪も洗えないし、スマホも持てないし、横になるだけで一苦労だ。

保育園休園でただでさえてんやわんやな日々に、なんなんだ〜と思いつつも、大人になると怪我って滅多にしないので、小学生気分の妙な高揚感もある。

あ〜肘の痛みに気を取られてたけど、膝もすりむいていたのだった...。消毒くらいしてもらえばよかったなと思いながら、今日はもう寝ることにする。

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