見出し画像

最後までわからない病名は…Ep3(2)

命の終わりに直結するだろう病名と
後遺症が残る可能性がある病名を
天秤にかけて
どちらを調べるか
その検査の選択…
そのくじ引きは、託される
選んだDr…

「CTが先!」
ベッドに横になった時
頭痛がスーッと消えた
なんだか大丈夫そう…
やっぱり私を見ないで

検査結果…
クモ膜下出血脳梗塞はなし

ならば…次だ

ベッドから起き上がると
また怒濤のような頭痛が襲う
処置室のベッドに寝かされた私に
Dr.は
「エビのように丸まって」と言う
3人のNs.が
私が微動だにしないように
まさに取り押さえる

Dr.は「痛いからね」と言う
脊髄穿刺が始まった
その痛みに
この時の頭痛は 勝った(まさった)

遠のく意識の中で
注射器を見せながら
Dr.は告げられた

最後までわからない病名は…
髄膜炎」

大病院に運ばれる救急車の中で
「救急車ってこんなに揺れるのか」
その振動を背中に感じながら
私は…

「いつもの頭痛ですね」…と
言われなくてよかった
「病気でよかった」…と
不謹慎なことを
思っていた