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大学野球選手における投球速度と下半身フィールドテストの相関

2012年



🔹目的

・下肢フィールドテストが球速と相関するかを明らかにする
・コーチやアスリートが球速向上と関連性の高いトレーニングプログラムを作成する方向性を提供する

🔹対象

・大学野球選手42名 (右投げ n=33、左投げ n=9)
・平均19.7歳
・10年以上の野球歴
・レジスタンストレーニングを2年以上行っている
・過去3ヶ月以内に腕の不調を訴えていない

🔹評価項目

・MB squat throw (6ポンド2.7kg)
・MB scoop throw (6ポンド2.7kg)
・垂直跳び (両脚・片脚)
・片脚水平ジャンプ (Hop and stop)
・立ち幅跳び
・lateral to medial jump (外側から内側へジャンプ)
・3段跳び (両脚)
・10yd スプリント (9.14m)
・60yd スプリント (54.86m)
・10yd 片脚ホップ (9.14m)
・投球スピード

🔹結果

右投げ・左投げの両投手において、投球速度に相関する因子として
『lateral to medial jump (外側から内側へジャンプ)』が一貫していた。
※lateral to medial jumpは、ストライド動作を模倣した動作になる。
lateral to medial jumをすることで、力を発揮する方向や地面半力の獲得に繋がる。

lateral to medial jump (外側から内側へジャンプ)


キャッチャー方向への軸脚によって生じる地面半力の増加は、球速と高い相関があり、体幹から投球側の腕、そしてボールへと運動連鎖を通してより多くのエネルギーを伝達し、球速を向上させることが出来る。
また、エネルギー(力)の方向を目標に向かって生み出さないといけない。


右投手 (n=33)のフィールドテスト結果
左投手 (n=9)のフィールドテスト結果

🔹まとめ

前額面におけるパワーレベルの向上は、球速と高い関係がある。
注意点として、矢状面で行われるトレーニングは、除外されるべきではなく、むしろ下半身全体のパワーを増大させる手段としても役立つ。
また、3面運動(矢状面・前額面・水平面)のトレーニングを行うことで、動きの偏りを防ぎ、傷害予防にもなる


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