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粋と不粋


禁煙してから10年ほど経つ


若かった頃は 女性向けのものが殆どなくて
スリムタイプのものも少なかった


そんな中で私のお気に入りは カルティエ

slimのlong
そしてその頃にしては珍しい 
口紅がフィルターにつきにくい加工をした
女性向けのものだった



指先も口元も美しく魅せようとする拘りが
心を捉えて
暫くの間 partnerとなった


美しい煙草だった


百貨店でしか扱ってなかったのを 
わざわざ買いに行っていたほど
好きだった




先日 今もまだあるかしらと調べてみたら
どうやら数年前に製造中止となったらしく ...


色々見ていたら もう売っていないものはカルティエだけではなくて
他の銘柄もたくさんあることを知った


煙草をアクセサリーとしての意味合いとしても愛した私だから
なんだか寂しかった




喫煙者が肩身の狭い思いをするようになって久しいけれど
止めるまでほぼ20年間吸い続けていたから
愛煙家の辛さもよくわかる




「百害あって一利なし」

それは正論かもしれないけれど


”粋” とか ”格好良さ” などというものが 
生きるためには無用だろうとも受け取れる風潮は
結果ばかりを性急に求め 
今を活きることの空虚を転嫁させている
偽善のような気がしてならない



”一服” ということばも
何れ死語になるのかもしれない

不粋な時代になったものだ



煙管と煙草入れを腰から提げているおじさん達がまだいた時代は 美しかったな 。。

なんて 考えたりしている




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