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人生の夏休み、はじめました。

2022年の2月末、私は新卒で入社した会社を退職しました。
正社員に転職はせず、短期の仕事をしながら全国を旅して回っていました。

会社を辞めて1年経ち、自分の生活も落ち着いてたので、ここらで振り返りと今後の自分について書こうと思います。

人生の夏休みって?

都会で生まれ育った私は、ひょんなことから田舎に興味を持ち、会社を辞めて国内を旅することにしました。(旅に出るきっかけも、今後投稿したいと思います)

旅の目的は、
「さまざまな田舎の景色の中で暮らして、自分の生き方を考える」
でした。つまり、30歳になって自分探しの旅に出たわけです。第二の青春のはじまりです。

困ったことは、旅先で「今、何しているの?」と肩書きを聞かれることでした。

旅人?
よく言えばフリーランス、悪く言えばフリーター?

この生活をいつまで続けるかもわからないし、自分の行先を決めている最中なので、現在の肩書きは「ない」が自分の中では正解でした。だから、こう答えていました。

今、人生の夏休み中なんです

夏休み1年目にやったこと

田舎に憧れた都会っ子は、農業に興味を持ちました。

いきなり旅に出るなんて、図太い神経を持っていると思われるかもしれませんが、どちらかと言えば引っ込み思案です。
虫は苦手だし、服が汚れるのは嫌だし、たいして農機具も動かせません。野菜の季節性もわかりません。さらに、腰痛持ちでもあります。

でも、自分が口に入れるもの、自分の身体を形作る「食べ物」がどのようにして作られているか、知ってみたくなったのです。

会社員時代は、広告代理店でCM枠や新聞の広告枠を扱っていました。それらは目に見えません。実際にCMが流れはするのですが、自分の仕事の成果が見えづらかったんです。
その反動もあってか、実際に成果物(農作物)が手に取れ、かつ自分の生活に直結する農業に惹かれたのかもしれません。

以前の投稿にもある通り、さまざまな場所を数週間〜1ヶ月単位で訪れました。中には、農業以外の目的で行ったところもあります。軸がブレブレでもいいんです。だって、人生の夏休みですから。

宮城県気仙沼→愛媛県西予市→徳島県阿波市→愛媛県みなべ→北海道士別→北海道美瑛→静岡県浜松市→鹿児島県鹿屋市…

できるようになったこと

今まで会社でパソコン作業をしていた都会っ子が、農業など今までの職歴が全く活かせない業種で働いてみました。

すると、たくさんのことができるようになりました。

・畑の踏んじゃいけないところがわかる
・雑草と作物の見分けがつく
・農作物の入ったコンテナを運ぶ(約20kg)
・苗をポットから素早く出す

どれもたいしたことないじゃん、と思いますよね。
でも、そのたいしたことも、昔の自分はできなかったんです。

他にも、できるようになったことはたくさんあります。

・お茶刈り機、刈り払い機など小さめの農機具を動かす
・薪ストーブの火おこし
・みかんなどの果樹の選別
・レジ打ち/接客
・ソフトクリーム提供

だんだん、どの仕事しても、うまくやっていけるんじゃないかと自信がついてきます。

そして、自分のマインドをもっとわかりやすく変えてくれたのが、車の運転でした。ぜひ、マインドを変えたい人には、車の運転をオススメします。

電車だと、「〇〇行き」って決まってますよね。電車に寄って目的地がかなり絞られてしまうんです。でも、車なら海・山に行けちゃうし、寄り道してもいいし、途中で行き先を変えてもいいんです。この自由さは、「自分はどこにでも行けるんだ」と自信をくれるんです。

AT限定免許だった私は、すでにMTと小型二輪免許を追加で取りました。
軽トラの運転も、少しはできるようになりました。
ゆくゆくはトラクターとかも…?

案外生きていける

会社員を辞める時に不安だったことは、①収入が減ることと、②キャリアに空白ができてしまうことでした。

大学はもちろん、会社員3年目まで実家から通っていた私は、生活に困窮したことはありませんでした。(寛大な両親に感謝です。)

そして、もし旅がうまく行かずに再就職を目指すことになった時、空白期間が足枷になるのでは、と不安でした。

結果として、いらぬ心配でした。
というのも、自分の価値観や優先順位が変わったのだと思います。

旅に出る以前は、結局お金に執着していました。お金を社会的地位の基準としたり、悩みをお金で解決することが多かったからです。
例えば、収入で自分が社会のどのくらいの位置にいるか気にしていました。また、身体が疲れていたらすぐお金を払って整体に通い、肌が荒れたら皮膚科に言っていました。

でも旅に出てから、小さなことでもできることが増えて、収入以外でも自分を評価できるようになってきました。健康面も、食事に気をつけて、十分な睡眠をとるようになってから、薬がなくとも自然と不調がなくなってきました。

農業もやってみたら楽しくて、次々にいろんなところに住み込みバイトしにいきました。会社員に戻ろうとは思いませんでした。
畑で草刈りは大変だけど、意外と頭の整理ができるし、筋肉痛が残ると達成感もあります。(あと痩せます)

だんだんと、自分にとって「収入」の優先順位が下がっていきました。
それでも、自分は今健康に生きています。だから、「案外、生きていける」んです。

「人生の夏休み」を経て。

自分の肩書きがなかったから、「人生の夏休み」と仮で言っていたのですが、この生活が一年たち、自分の方向性も少し決まってきました。

方向性は2つ。「農業」と「キャリアデザイン」です。

農業について、この生活2年目の私は、畑を持って農業をしてみます。
1年間さまざまなところで農業をしてきた私は、単純に「農業は楽しい」と思いました。でも世間的にはネガティブなイメージがあるし、実際、多くの経営者の方々は簡単なものじゃない、と聞いています。だから、まずは自ら畑を持って農業をして、「農業は楽しかった」を実感したいと思っています。

そんなに大きくない畑ですが、1年目は自分が生きていけるくらいの野菜を収穫することが目標です。

もう一つが、キャリアデザインです。
世の中、30歳で会社に勤めていないと、社会的信用がないんですよね。一度会社員を辞めてしまうと、「社会不適合者」の烙印を押されてしまいます。かくいう私もその烙印を押されたのですが、同じく旅している人や会社員にとらわれずに生きている人に出会ったので、全く辛くありませんでした。

同じ立場の人に、精神的に支えてもらったので、今度は自分が「社会からこぼれ落ちてしまった人」を支えたいと思いました。やりたいことはたくさんあるのですが、、農業インターンとかゲストハウスとか、、詳しいことは別の投稿に書こうと思います。

「人生の夏休み」を経て、自分を取り巻く環境やマインドが180°変わりました。今後は自分の生活も楽しみつつ、自分の力を誰かに還元したいと思っています。今後の投稿でも、農業やキャリアデザインについて、ちょくちょくぼやいていきます。



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