【私の感傷的百物語】第三十二話 蜘蛛の巣天井
我が実家の隣は、車一台がやっと通れる程度の下り坂になっています。この道に沿って何軒か家が並んでいるのですが、生垣が続いている場所もあります。また、その内の一部は人の背丈より成長した木々で、その後ろから、庭木が通行人の頭上を覆うようなカタチに伸びています。
子供の頃この場所を通る際、僕は嫌な思いがしたものでした。というのも、(まるでちょっとした林の中を抜けているような感覚がする)道沿いの垣根に、何だかよく分からない虫の繭などがついているのが目に入ってしまうからです。普通、生垣