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私の感傷的百物語

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昔、自費出版した本を一話ずつリメイクしています。
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記事一覧

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【番外編】沼津のお化けたち

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【番外編】「しゅのばん」のこと

「しゅのばん」というお化けをご存じでしょうか。 福島県に伝わる鬼のような顔の怪物です。 …

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【私の感傷的百物語】第三十二話 蜘蛛の巣天井

我が実家の隣は、車一台がやっと通れる程度の下り坂になっています。この道に沿って何軒か家が…

後藤師珠馬
3週間前
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【私の感傷的百物語】第三十一話 開かずの間

「開かずの間」という言葉にそそられます。長い間閉ざされている場所には、果たして何があるか…

後藤師珠馬
3か月前
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【私の感傷的百物語】第三十話 黒い球体

子供の頃、実家で黒い球体を見たことがありました。ちょうど僕がトイレへ行こうと、一階の畳敷…

後藤師珠馬
3か月前
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【私の感傷的百物語】第二十九話 隙間

隙間が怖いのです。常に、ではありませんが、時々、隙間がものすごく恐ろしく感じる時があるの…

後藤師珠馬
4か月前
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【私の感傷的百物語】第二十八話 雨漏り

「仄(ほの)暗い水の底から」という恐怖映画があります。離婚調停中の母と娘に、水に関わる様々な怪奇現象が襲いかかる、という内容です。ストーリーはあまり好きにはなれませんでしたが、秀逸なタイトルと、黒木瞳さんをはじめとした出演陣の演技、そしてなによりも、水滴や水たまりが徐々に広がって追ってくるという「水の恐怖」の着眼には、震えながら脱帽の思いでした。 以前、戯れに読んでいた東洋健康術の本に、インドの伝統医学・アーユルヴェーダの権威が来日時、 「日本はなんと「水(カパと呼ぶらし

【私の感傷的百物語】第二十七話 クラスメイトの諍(いさか)い

高校時代の話です。授業の後、教科書を忘れたことを思い出し、教室へと戻りました。入り口のド…

後藤師珠馬
4か月前
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【私の感傷的百物語】第二十六話 夜桜

夜桜は美しいものです。この美しい花が咲き誇った樹の下を歩くのは、春における至上のよろこび…

後藤師珠馬
5か月前
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【私の感傷的百物語】第二十五話 霧

映画化もされた人気ホラーゲーム、「サイレントヒル」。湖畔の霧に包まれた町で、主人公に未曾…

後藤師珠馬
8か月前
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【私の感傷的百物語】第二十四話 学校のトイレ

小学校、中学校、高校と、校舎にあるトイレを利用したことが一度もない、という人はまずいない…

後藤師珠馬
8か月前
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【私の感傷的百物語】第二十三話 豚の胎児を埋めに行く

高校時代、自然科学部に所属していた僕は、一応の「部室」である生物準備室に入り浸っていまし…

後藤師珠馬
8か月前
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【私の感傷的百物語】第二十二話 ネクロフィリア

だいぶ前に、心理学ゲームの本を読んだ時、その娯楽性の強い本から、僕は「ネクロフィリア度上…

後藤師珠馬
8か月前
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【私の感傷的百物語】第二十一話 天井裏の毛物

僕の実家の一階と二階の間、つまり一階の天井裏には、よく獣が忍び込んできます。初めてその気配に気づいたのはいつ頃だったか記憶が曖昧ですが、その当時、一階で寝ていた僕の真上で、ざらり、ざらりという衣ずれのような音が聞こえてきました。無防備な就寝中に頭上から奇怪な音がするというのは、気持ちの良いものではありません。江戸時代の武士階級ならば、傍におかれた刀に手をかけるところでしょうが、そんな武器もありません。 じっと聞いていると、ガリガリという爪音もします。ここで、正体は獣であり、