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『桐壺クライマックス!!』発売中です。

こちらに長らく連載(?)していた「桐壷をめぐる人々~超訳源氏物語『桐壷』~」をまとめて、『桐壺クライマックス!!』として発売しています。
 『源氏物語』に興味はあるけど難しそう、と思っている方に、ぜひともお勧めしたいです。

以下、前書きより抜粋

こんにちは。この本は『源氏物語』の最初の章「桐壷」だけを、解説と創作を交えながら分かりやすく超訳したものです。

私が初めて『源氏物語』に触れたのは中学生の頃でした。教科書に少し出てきて、あまりの意味の分からなさに驚いたものです。そしてこれが受験で必須の項目らしいと聞いて絶望しました。しかし絶望してばかりもいられないので、

「そうだ、図書館で現代語訳を借りて読もう。それで内容を覚えたら勝ちなんじゃないか?」

そう思って図書館に走り、本を手に取りました。
ところが。
古くて誰にも読まれた形跡のない『源氏物語』は、ものすごく流麗な日本語だということだけは分かるのですが、中学生の私にはその現代語でさえも難しすぎました。私は再び絶望し、本を閉じてそっと棚に戻したのでした。

さてどうしたものかなあ、と思っていたらなんと、教室で漫画『あさきゆめみし』が回り始めたのです。出所は分からないけれど、もうとにかくその流れに入って、私は読みました。ありがたかった。これでやっと物語の設定や登場人物のキャラクター、ストーリーの大枠が理解できたのです。

やれやれこれで一安心、おかげでなんとか受験もクリアできました。
が、それでもなんだかずっと、私には『源氏物語』にモヤモヤがあったのです。

▼そもそもなぜ、光源氏は天皇にならないのか? あんなに父帝に愛されているなら帝になればいいのに。

▼光源氏は「私は何をしても許される身なのです」とか言って、好き勝手に女漁りをして、紫の上にいたってはこれ、幼女誘拐なんじゃないだろうかとさえ思えるんだけど、でも実際お咎めなしだった。それなのになぜ、朧月夜が相手の時だけは咎められたんだろう?

▼物語中でほぼ唯一、光源氏を嫌っていた敵役は弘徽殿女御だったけど、なぜ彼女はそんなに光源氏を嫌うのだろう?

などなど。各種の恋愛模様ではなく、私はこの物語の大きな流れ、政治的背景についてぼんやりとした疑問を持ち続けていたのでした。

なのでこの本では主に、この物語の前提となるような背景が理解できるように、解説を交えながら現代語訳にしています。原作にない内容が創作も含めて沢山盛り込まれているので、「超訳」としました。「桐壷」だけを扱っているのは、この章が「光源氏以前」の話であり、それ以後のストーリーの土台となっていると思ったからです。

抜粋ここまで

この本を読めば、きっと『源氏物語』、桐壷の先の展開に、いろいろと納得感が出てくるとおもいます。キンドル版、ペーパーバック版、ともにございます。アンリミ対象です。


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