現代語訳

過去に訳した現代語訳は今見ると手直ししたいと思うところも多いなあ。

更級日記 現代語訳(一)

<原文>
 あづま路の道の果てよりも、なほ奧つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひはじめけることにか、世の中に物語といふもののあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、つれづれなる昼間宵居などに、姉継母などやうの人々の、その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、わが思ふままにそらにいかでかおぼえ語らむ、いみじく心もとなきままに、

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『源氏物語』の現代語訳について

かれこれ何年も続けている『源氏物語』の現代語訳ですが、たった一行を訳すのに何時間もかけたりしているせいで遅々として進みません。

外国文学の翻訳をする時も同じくらい時間がかかっているのですが、やはり言語というものを扱う以上、一言一句に責任を負うつもりで訳しているので、なかば仕方ないかなという諦めの気持ちもあります。

『源氏物語』を全訳するのは私の夢でもあるのですが、今のまま仕事の合間を縫って続け

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現代語訳『山家集』(921)

【 原文 】
吹き過ぐる風しやみなば頼もしみ秋の野も狭《せ》の露の白玉 (921)

【 現代語訳 】
この吹きすさぶ風がやんだら、秋の野の白玉のような露も留まり、さぞかし頼もしいことでしょう。

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現代語訳『山家集』(382)

【 原文 】
雲消ゆる那智《なち》の高嶺《たかね》に月たけて光をぬける滝の白糸《しらいと》 (382)

【 現代語訳 】
雲が消えた那智の高嶺《たかね》に月が高く上がり、月光が滝の白糸を突き抜けている。

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現代語訳『伽婢子』 幽霊諸将を評す(7)

「その昔、信玄がまだ若かりし頃、好色に溺《おぼ》れて国の政《まつりごと》を怠った。板垣信形《のぶかた》に繰り返し諫《いさ》められてようやく心を入れ替え、敵を討って国を併合する謀《はかりごと》に専念し始めたが、信濃国諏訪大社の祝部《はふりべ》・諏訪頼重《よりしげ》が降参して旗下《はたした》に付き、甲府に参じようとした折に、お前は主《あるじ》に次のように進言した。『頼重を殺して城を奪わなければ馬の脚が

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万葉集巻十二 三〇四三番歌

三〇四三番歌

原文: 露霜乃 消安我身 雖老 又若反 君乎思将待

読み: つゆしもの けやすきあがみ おいぬとも またをちかへり きみをしまたむ

現代語訳: 露霜のように 消え入りそうな我が身は たとえ老いてしまっても また若返り あなたが来るのを待ちましょう

メモ

つゆしも‐の 【露霜─】〔枕〕

(1)露や霜が消えやすいところから、「消える」やそれに類した語にかかる。

(『日本国語

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現代語訳『山家集』(768)

【 原文 】
年月をいかで我が身に送りけん昨日《きのふ》の人も今日《けふ》はなき世に (768)

【 現代語訳 】
わたしはどうやって月日を送ればいいのだろうか。昨日まで生きていた人が、今日亡くなってしまう世の中だというのに。

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プロフィール

日本の古典文学の現代語訳とドイツ文学の和訳をしています。応援してもらえると幸いです。現代語訳や和訳に関する質問、感想などもお待ちしています。

原文の出典

源氏物語…新潮日本古典集成(全8巻)
シラーの著作…Sigbert Mohn Verlag Friedrich Schiller Gesammelte Werke In Fünf Bänden
ヘルダーリンの著作…Friedrich Höld

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現代語訳『山家集』(854)

【 原文 】
西へ行くしるべとたのむ月影のそらだのめこそかひなかりけれ (854)

【 現代語訳 】
西方浄土に行く道しるべとして月光を無闇に頼みにするのは、まったく無駄なことだ。

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