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和式を知らない子供たち~学校のトイレの様式化は早急に解決すべき事案


学校のトイレ事情

全国的に学校のトイレの洋式化が進みつつありますが、普及率の低い自治体も少なくありません。

島根県はそうした件の一つのようで、洋式トイレの普及率は48%ということです。

現在の全国の小中学校の普及率は68.3%、7割弱が洋式化済みですが、3割はいまだ和式のままということです。

文科省のリンク先には洋式への改築に関して国庫補助が出る旨も記載してあり、洋式化を推進する方向性ではあるようですが、道半ばといったところなのでしょう。

和式を知らない子供たち

現代の子供、といっても高校生ぐらいまで含めて、彼らはほとんど和式トイレを使ったことがありません。

家庭のトイレはほぼ100%に近い率で洋式ですし、商業施設や飲食店などの設置トイレでもほとんどは洋式となっています。

公園などの公共施設に一部和式トイレが残っていますが、生活圏内を見る限りにおいては洋式トイレしか存在しないのが実際のところです。

そのため、いざ和式を使おうにも使えない子供も増えています。

不登校が増えていることは社会問題化しつつありますが、その原因の一つにトイレの問題がある、と私は考えています。

もちろん、直接的な要因ではないにしても学校でトイレを利用できない状況は腹痛や体調不良の原因ともなるからです。

最近の子供たちはトイレに行くことを茶化す昭和的悪習からはある程度解放されているようですが(ひどい時代でした)、環境の異なるトイレはストレス源となるのも事実です。

大きな予算を必要としない

トイレのリフォーム自体はそこまで大きな費用をかけずに行えるリフォームの一つです。

少なくとも校舎の建て替えほどの予算を必要とせずに行うことが可能です。

また、一度改修してしまえば、ランニングコスト自体は依然と変わらない
どころか節水効果などもあり、コスト減も考えられるでしょう。

加えて生活の質の向上効果は高く、個人的には緊急に予算を確保して行うべき事案ではないかと感じます。

事実として3割の子供たちが和式トイレを利用せざるを得ない環境にいることはもっと重く受け止めなければならないのではないでしょうか。

一方で清潔な環境に慣れていたり、潔癖な性格から共用の洋式トイレを利用できないケースもあるようです。

私の勤務校では数年前にトイレを改築しましたが、事前に取った生徒アンケートでも和式を残してほしいという要望があったようで、複数ある個室トイレの一室は和式トイレとしています。

トイレ問題は緊急課題の一つ

現代の学校が抱える問題はあまりにも数が多く、一朝一夕では解決できないものがほとんどです。

カリキュラムの過重問題、子供の人権や安全、PTA問題、部活動の問題、教員の労働問題、どれも複雑に入り組んだもので利害関係や主張がそれぞれに存在し調整が難しいの実情で、問題の解決が進んでいません。

しかしトイレに関してはこれに反対する人はほとんど存在せず、予算の問題さえクリアすればすぐにでも解決できるものです。

だからこそ、まずここから手を付けるべきだと思うのです。

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