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不審者侵入に対し、学校現場はどう対応するか

先日、大阪府の小学校で不審者が侵入し暴れるという事件が発生しました。

大阪府の不審者侵入事件と言えば、大阪教育大学附属池田小の痛ましい事件を思い出します。

非常に痛ましい事件で、印象深いのですがもう20年以上前の事件になるんですね。

今回の事件の顛末

今回の事件は大阪市鶴見区の小学校で発生しました。

10月24日の午前8時45分ごろに50代の男性が校門のインターホンを鳴らし「忘れ物を届けにきた」と告げたようです。

これに対し、対応した職員は子供の名前やクラスなどを確認せず、門の鍵を開けたとのことです。

その後、男は上半身裸で暴れまわっているところを警察官に逮捕されました。

同小学校では保護者には入校証をわたしており、それを確認しなかったという落ち度はもちろんあるでしょう。

しかし、はたして入校証の確認を徹底しただけで充分なセキュリティが確保されていると言えるのでしょうか。

「千葉小3女児殺害事件」

入校証による管理を行っても、発行した相手が犯罪者ではないと言い切れない場合はセキュリティを確保できません。

2017年の「千葉小3女児殺害事件」はまだ記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。

この事件では、同じ小学校の保護者で保護者会の会長をしていた男性が犯人とされ逮捕、起訴、無期懲役が確定しています。

男性は交通指導員を行いつつ、目星をつけた女児を誘拐し、殺害したものとされています。

こうした場合、学校側が入校証などの対策を行ったとしても防止することは不可能です。

千葉の事件は極端な例ではありますが、そもそも不審者は門から入ってくるとは限りません。

学校の校舎の多くは玄関や昇降口以外にも入口となる場所を持っている設計をしているため、物理的に侵入者を防ぐことは不可能です。

教員に警備をさせれば解決と考える愚策

今回の大阪の事件にしても、警備体制を厳しくし、教員に警備業務を分担させればよいと考える向きがあります。

しかし、これは大きな誤りです。

不審者対応のための訓練などは日本中で行われています。

しかし、これはあくまで最悪の場合を想定したものであり、学校の教員は武道や逮捕術を身につけた集団ではありません。

また、さすまたなどの道具が都合よくあるわけもなく、生徒を逃がすこと、周囲に知らせることが精いっぱいなどが現実なのです。

正直な話、私自身も自分の身を犠牲にする覚悟はありません。

私だけではなく、一労働者に過ぎない教員の中に「小野さつき」になろうという気概のある人が日本にどれほどいるでしょうか。

本格的に学校の警備体制の見直しを行う時期に来ている

学校の警備体制の見直しは急務であり、民間の警備会社や警察の力を借りる段階に来ています。

そのためにはきちんとコストを支払った上で、民間の警備会社や警察と連携を組んで行う必要があります。

そして、大事なことは教員を警備員として安く使い倒す考えを文科省や教育委員会、管理職、そして地域住民が捨て去らなければならないでしょう。

附属池田小事件から20年以上経った今、場当たり的な対策でお茶を濁すことは許されないのでないでしょうか。

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