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料理をする時に考えていること その1「食材をリスペクトすること」

自分が料理をする時に無意識レベルで常に意識していることを色々と連ねていこうと思います。

食材をリスペクトすることとは?

例えばゴーヤは苦いものです。苦味があってこそなのに、その苦味を緩和させようとする料理方法は僕にとってはリスペクトがない感じが少しします。
苦味が強すぎるから他の食材とのバランスを取るから苦味を緩和させようというのなら良いのですが、苦いのが嫌だから緩和させたいというのとでは違ってきます。

この例は極端かもしれませんでしたが、他でいうと食材=作ってもらった料理として、なんでもかんでも醤油をかけて食べるという人は作り手のことをリスペクトしていないという気はします。
これが正しいか正しくないのかではなく、尊敬・尊重ということです。

私は農家さんと仲良くさせていただいており、農家さんから直接購入する野菜は、できるだけ料理しないで、素材の味わいを活かしてシンプルにいただきます。

僕なりのリスペクトですが、これは人それぞれあると思います。

食材をリスペクトする=食材の味も調味料の一部

料理研究家として、料理教室などをしているとよく相談されるのが「いつも同じ味になってしまう」というのがあります。
よくよく聞いてみると、味付けを調味料任せにしているということです。

味付け=調味料になっていませんか?

味付けとは、食材をリスペクトして素材をより美味しく食べやすくすることだと私は思っています。
料理をするということは、そのままでは食べれないものを食べれるようにするということが大前提にあります。
例えていうと、豚肉や鶏肉は基本は生で食べると菌によって食中毒をおこしてしまいます。加熱することで人が食べれるようになるということは立派な料理です。
野菜を蒸し焼きにするだけで、甘みが増して美味しというのを味わったことがありますか?
蒸し野菜に塩をかけて食べるっていうのはある意味で贅沢なことです。

食材をリスペクトすると、味付けすることを足していくのではなく引いていくことになります。食材も味の一つだということだということに気づくと、この調味料はいらないかも・・・なんてことを考えて、料理できるようになります。

食材をリスペクトすると、料理時間も自然と短くなる。

味噌汁を作る時に、昆布などでダシをとるということが暗黙のルールになっていますが、私は基本はダシはとることはしません。
ダシをとるのがめんどくさいのは誰もが思うことです。私もめんどくさいと思う一人です。私はめんどくさいからダシをとらないというのではなく、ダシ=旨味成分は、味噌汁の具材=旨味成分だと知っているからです。
具沢山にすることでダシと一緒の役割になる。
イタリア料理でトマトをよく使うというのは、トマトには昆布と同じグルタミン酸が含まれており、とくにトマト缶に使われるたわら型の品種サンマルツァーノは、加熱することで美味しくグルタミン酸が多く含まれています。
トマトはイタリアンにとって昆布の役割に近いものがあります。
グルタミン酸=昆布=味噌汁=味噌と相性が良い=トマト缶と味噌は相性が良いかも?という推測が立てれます。
こういう風に食材を成分から考えると、新しい組み合わせや無限の料理方法が
どんどん生み出されます。
意味ある時短は好きですが、めんどくさいから時短させるというのは好きではないです。

料理教室では食材のリスペクトの仕方を伝えています。
基本、私がオタク気質なので栄養素同士で相性の良い食材を考えたりするのが好きなのが要因ではあります。
マニアックな研究したことを、私というフィルターを通して誰もがおうちごはんに適用できるようにすることが私にとっての料理研究家としての役割の一つだと思っています。

その2は料理をする際の「切る」ことについて書きたいと思います。

普段は大阪を中心に、飲食店の料理人、企業のレシピ開発、食品アドバイザー、PR事業、料理教室、出張料理、料理撮影、料理動画撮影、料理フォト講座、お酒の会、他業種との料理コラボ等、さまざまなことを行っています。

現在進行、今までの仕事などについてはこちらをご覧ください。
ご依頼、ご相談等もお待ちしております。


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