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空の巣症候群どころか、これからが楽しみの連続なんだと思う

息子がひとり暮らしをはじめて7ヶ月経過しました。大学での勉強も真面目にやっているようだし、アルバイトにも精を出しているようだし、息子のひとり暮らしは順調のようです。

おかげさまで私も家事の時間が激減し、夫とのふたり暮らしを楽しんでおります。看護師としての仕事は25年以上やっているので、だんだん効率的に行うことができ、残業ははるかに減少しました。

子育てはほぼ終了となり、日頃からお酒もたばこもテレビもご縁のない生活を送ってきたため、ものすごく時間が浮きました。これはもうびっくりするくらい時間があって、しかも体力もそこそこあるので、学会発表や論文投稿を増やし、常勤で働きながら研究員のアルバイトもしています。やりたいなーと思うことはドンドンやるようにしています。

もしかして空の巣症候群?



正直言って、息子がひとり暮らしをはじめたばかりの頃は、

「めっちゃさみしい」

と思いましたし、ぽっかり自分の中に穴が開いた感じがあって、違和感満載の生活を送っていました。

これが「空の巣症候群」というものか。
私もとうとう「空の巣症候群」を味わう時が来たのね。

と、一瞬思いました。

この何気なく使った言葉、「空の巣症候群」ですが、その実態や歴史的背景を詳しく知らなかったので、さっそく調べてみました。こちらの総説論文が「空の巣症候群」について詳細に記述されておりましたので、ご興味のある方は是非お読み下さい。

榎戸 芙佐子. (1998). 【高齢少子化時代の精神保健・医療】中年期の精神保健・医療 「空の巣症候群」をめぐって. 臨床精神医学, 27(増刊), 176-183.

空の巣症候群とは

榎戸(1998)によると、「空の巣症候群」は役割という対象喪失後の不適応状態を表す概念であり、役割を子育て、ないし親時代と定義すると、母親のみならず父親も含むことになります。また、長寿社会、高齢化社会においては「空の巣」になってからの時間が長くなり、老いを自覚した自分に何ができ、どう遣うか、 急速に高齢化した社会ではモデルがないと論述されています。

この論文発表から24年経過した現在、「老いを自覚した」であろう中年世代が結構アクティブに活動している姿を目の当たりにします。実は私も、「空の巣症候群」を味わう時が来たのね、なんて思っていたのも束の間、恐ろしいもので2週間くらい時が経つと「夫との2人暮らしが当たり前である」という感覚になっておりました。そして「自分らしい暮らし」を取り戻す感覚に導かれております。

もちろん、急にさみしい気持ちになることもあります。当然ですよね。半強制的に子どもにあわせた生活を18年間送ってきたんですから、子どもから「ひとりでやっていけるよ」と言われて、子どもの成長に拍手する気持ちが大きいとはいえ、ふとした瞬間に「なんだかさみしいなー」と思うことはあります。そりゃありますけど、中年世代は良くも悪くも色々経験を積んできているので、これからの自分の自由な時間を楽しむ術もそれなりに持っているのです。

あとは、やるかやらないか。

空の巣症候群どころか、これからが楽しみの連続

毎日同じことの繰り返しをするのではなく、自分の余裕の範囲で新しいことにチャレンジしてみることが自由な時間を楽しむことにつながるのかもしれません。人生100年時代、50歳からが本番なのかもしれません。

空の巣症候群どころか、これからが楽しみの連続なんだと思います。

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