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ダイバーシティを考える『ハンガー・ゲーム0』

ハンガーゲームっていうのは、パネムっていう仮想国のキャピタルと呼ばれる金持ちエリアで国を支配する人たちが、国家統制を理由にキャピタルを囲む貧しい12地区から選ばれた人々に殺し合いをさせるというゲームです。まあ、酷いゲーム。

原作小説の作者は「テレビで、一方のチャンネルではリアリティ番組で競争する人々、もう一方のチャンネルではイラク戦争が映されていて、両者の境界が曖昧になっていくのを感じた時に発想を得た」とか語ってるらしいけど、まあ、日本の『バトル・ロワイヤル』のパクリでしょう、これは。

過去に1、2と公開されて、今回は出演者を一新してのゼロストーリー。1、2でパネム最高権力者であるスノー大統領が、若い頃はハンガー・ゲーム反対だったのに、なぜ大人になってハンガゲームを推進する独裁者になってしまったのか?という理由を描きます。

って、私、前情報無しで観に行ったんで、これがゼロストーリーだって意識全然ありませんでして。

キャピタルの若者2人(1人は若き日のスノー)が「ハンガー・ゲームなんてダメだ!もっと国民全員が幸せになることを考えないと!」って話し合っていたので、「え? レミゼなの?フランス革命なの?マリウスとアンジョルラスなの?」(ここのところはミュージカルファンにだけ伝わればいいです)ってにわかに色めきだしましてね。

今回は若者が国家に反旗を翻す話なの?ハンガーゲームってタイトルだけどハンガーゲーム(殺し合い)をさせない方向なの?いいじゃん、いいじゃん、斬新じゃん、今っぽいじゃん!って心ときめいたんですけど、その後、ハンガーゲームは滞りなく開催されました。

ちょっと意味がわからなくなって上映中にスマホでこっそり検索したら(ごめんなさい)ゼロストーリーでした。タイトルにもゼロってついてた。気づかなかった。
私、1も2も観ているんですけど大統領の名前がスノーだったことなんて忘れていたし、なんならそのキャラの記憶すら薄かったです。テヘペロ。

でも、ハンガーゲームはやらないんじゃないか? と思った理由はもうひとつありまして、ゲーム参加者に選ばれた一人がダウン症の女子だったんですよ。それから足に障害のある女性もいた。

はいはい、今時のダイバーシティを入れてきたわけね(ちなみにゲーム参加者ではないけれどいわゆる小人さんの俳優さんも出演していた)。
でも、さすがにコンプラやらダイバーシティやらにうるさいハリウッドは、この子たちに殺し合いをさせることなんてできないでしょうね、って踏んだんですけどね。普通にハンガーゲームさせられていました。そして殺られてた。

でも、ダイバーシティの行き着く先って、男も女も同性愛者も障害者も戦う時はみんな戦うし、殺される時は殺される、死ぬ時は死ぬってことなのかもしれませんね。「ダウン症の子をあんな目に合わせるなんて可哀想!」というのは逆ダイバーシティなのかもしれません。だから逆ダイバーシティって何?

ダイバーシティといえば、ここ1、2年のハリウッド映画で明らかに変わったと思うのは、とりあえず5、6、7番手くらいの役にアジア系を起用する映画が増えましたね。それもインド系とかハーフとかじゃなくて、わかりやすい東アジア系。
ホラーやサスペンス映画でいえば、事件を調べる警察官あたり。
ハンガーゲームでもスノーの同級生の一人がアジア系です。
「冷やし中華、始めました」よろしく、とりあえずアジア系を出演させて「ダイバーシティ、はじめました」ってアピールしている感じが、私は個人的にちょっと鼻につくんですけどね。

もうひとつ、ダイバーシティで私が勝手に気になっていることがあるんですけど。「個性」が重要視される時代になってから、イケメンや美女の許容範疇が広がった気がするんですよね。

この「ハンガー・ゲーム0」の主演女優レイチェル・ゼグラーさんは

基本、すっごい可愛い。


2021年にリメイクされた『ウエスト・サイド・ストーリー』の主人公マリア役で脚光を浴びたんですけど

時々ね、本当に時々なんですけど、顔の横幅にハッとすることがあるんですよね。

ちなみに、ウエスト・サイド・ストーリーで相手役トニーを演ったアンセル・エルゴート君っていう役者さんもイケメンなんですけど、すごい浮腫みやすそうな顔をしていて。

わずかな塩分と水分でもすぐ浮腫みそう

良い映画だったんですけど観ている間中ずっと「なんだかクセの強い顔のカップルだなー」っていう思いが消えませんでした。

今回のハンガーゲームの相手役、トム・ブライス君っていう俳優さんも

鼻から下がなんとなく気になる感じ

イケメンなんですけど、小鼻の辺りから顔の下半身がちょっと気になる感じで、なんだか耳鼻科にしょっちゅう通ってそうな男の子だなーって思いながら観ていました。

美しさは個性。
100人いたら100人の美しさがある。
それはその通りなんですけど、100人が見たら100人が絶賛する、そんな圧倒的な美男美女っていう価値観もね、どこかに残しておいて時々は見せて欲しいな、って思ったりします、個人的には。

ちなみに、この「イケメンや美女の乱用」を一番に感じるのは「女優〇〇のイケメン長男がインスタに初顔見せ!」なんていうネットニュースですね。
ワクワクしながらインスタ検索した時間を返して!って思うこともしばしばです。

なんだか映画の話からかなり外れてしまいましたが、まあ、だいたいにおいて私が映画と関係のない話を書いている時はあまり好みでなかった時です。去年はそれを隠し隠し書いていましたが、今年は臆せずやっていきたいと思います。

それが私の個性だから。

みなさん、よかったらぜひ。

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