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うまくいくわけないけどうまくいってほしい『エンパイア・オブ・ライト』

人間関係で色々あって退職して、山梨の山奥に引っこんでいたタメの元同僚女性から「実は彼氏ができて…」なんてメールが来たり。

乳がんで片方の乳房を全摘出した後、ホルモン治療を行なっている、同じくタメの独身女性が『インクリア』という『膣洗浄器』を使ったら、ずっと不順でこなかった生理があっさりやってきたらしく「やっぱり定期的になんか突っ込まなきゃダメね」なんていうLINEが来たり。

そんな陽気も気分もどこかふんわり春めいてきた日の夜。
会社帰りにスポーツジムに立ち寄る気にもなれず、ふらっと観てきました『エンパイア・オブ・ライト』。

主演はオリヴィア・コールマン。
『女王のお気に入り』を観て、そしてアカデミー賞でのスピーチを聴いて、すっかり大好きになった女優さんです。


でも、まさか、オリヴィアがラブ・ストーリーやるとはね。
失礼なのは承知で言うけど、恋愛映画向けのルックスでは全くないと思っていたので。

舞台は1980年代、 イギリス南部のリゾート地にある映画館。
古くからここに勤めるオリヴィアと、新しく入社してくる20代前半の黒人青年のラブ・ストーリーです。


ラブ・ストーリーとはいっても大恋愛のハッピーストーリーというわけではなく、オリヴィアは辛い過去によりメンタルの病を患っているし、イギリスはサッチャー首相時代の不況と社会不安で黒人差別が激しさを増しているしと、まあ、いろいろあるわけです。

それに、なんてたって歳の差カップル。
倍以上。

私はオリビア側の年代なので、もう、どうか、この黒人青年がオリビアをひどく傷つけないことばかりを願っていましたよ。
そりゃあ、もちろん、果てしない未来の可能性を抱えているのは若者の方ですから、一生、このおばちゃんに関わってチマチマ生きていくとはまさか思っていないし、そう願っているわけでもないのですが。
でも、どうか、オリヴィアにとって何か良い記憶が残る、そんな小さくも素敵な恋でありますよう。終始そう願って、ある意味、手に汗握って観ていましたよ。

ま、最終的には出会ったことでお互いの人生に小さな光が灯る、そんなお話でした。また、映画というものも光が作りだす芸術で、先日のバビロンと同様(雰囲気はまるで違うけど)「映画って良いよねー」という映画賞賛のお話でもあります。

私としては、元同僚の恋の方はこの映画以上に、小さな光ではなく人生の大きな光をつかめるよう願ってやまないですけどね。

それから『膣洗浄器』の名前が『インクリア』ってびっくりしました。
そんな明け透けな名前、ある!?


よかったら、みなさんも、ぜひ。
インクリアじゃなくて、映画の方。

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