見出し画像

元日だけど『サンクスギビング』

そういえば2022年の大晦日に観た『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が映画感想文書くきっかけだったなーってふと思い出して、じゃあ、2024年も元日から映画観ちゃう?なに観ちゃう? なに観ちゃう? 正月だし頭使わないのがいいよねーってことで観てきました、元日なのに『サンクスギビング』。あけましておめでとうございます。


結論から言っちゃうけど、これ、100点じゃない!?
なにも期待をせず、むしろ「クリスマスやハロウィンはマンネリだから今度はサンクスギビングでホラー映画ってわけですか?」くらいのからかい半分で観にいったのに、エンドロールでは感動すら覚えました。
B級ホラー映画として100点満点!

アメリカのプリマスっていうサンクスギビング発祥の街の大型スーパーマーケットで、ブラックフライデー(感謝祭翌日のセール)に先着100名へワッフルメーカーをプレゼント!っつーもんだから、死傷者が出るほどの暴動になるんですね。

ワッフルメーカーっていうのも絶妙な貧乏臭さで、それをファック!ファック!つって血眼になりながら奪い合う市民たちの圧巻のバカバカしさね。

この街の人間全員殺されても全然悲しくない!って思わせてくれるのって、スプラッター系ホラー映画では大切ですよね。そうじゃないと観ていて辛くなっちゃう。

で、その翌年、もうすぐサンクスギビングだよって街が賑わう中、ダイナーで働く下品で太ったおばさんウェイトレスが惨殺されます。
ネタバレ!って怒られそうだけど、これ、ネタバレじゃないから。
ホラー映画において『ダイナーで働く下品で太ったおばさんウェイトレス』っていうのは、まず、殺されるものだから。そういう伝統だから。ネタバレとかじゃないの。

ちなみに関係ないけど『テレビの前のソファでフライドチキン食べながら野球観戦するベースボールキャップ被ったデブのおっさん』もだいたい殺されます。

で、このウェイトレスに始まり次々と殺人が起こって、どうやら去年の暴動に関わった人たちが狙われているみたいよ…っていうサイコスリラーなんですけど、殺人のバリエーションは豊富だし、グロ表現も音響サプライズもほどよく散りばめられていて、いやーそんなんじゃ人間の体はちぎれないでしょー? いやーどうしてそこに一人で入っちゃうかなー? えーなんでこの騒動の中サンクスギビングのパレードを強行しちゃうの?っていうダメダメな感じのB級っぽさも安定感抜群。

最後に明かされる犯人とその動機も、そんな気はしていたけどやっぱりねーくらいのちょうどよさで、伏線なんかもちゃっかり回収されて、ほんと、B級ホラー映画の教科書みたいな映画でした。

ま、『ホステル』『グリーン・インフェルノ』というその道じゃあ名高いホラー映画を数々作り続けてきたイーライ・ロス監督の最新作なので、おもしろくて当たり前みたいなところはあるんですけどね。腕は確か。

感謝祭、感謝祭って、2024年の最初の1本がこの作品であることにこっちが感謝だよ。そんな気分にしてくれるホラー映画でした。こいつは春から縁起がいいや!

みなさんも、よかったぜひ。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?