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文化の祝祭、おおいた大茶会 -いま、大分で起きていることについて-

今年の秋、大分県では「国民文化祭」と「全国障害者芸術・文化祭」という2つの大会が、「おおいた大茶会」というテーマのもとに同時開催されています。毎年どこかの都道府県で行われている国民文化祭が大分にやってくるのは20年ぶりです。

この20年間で、文化やアートをめぐる取組は、全国各地で地域づくりの文脈と深く関わりながら、一昔前よりも多様かつ盛んになってきました。
大分県内でも、「混浴温泉世界」(2009〜2015)や「国東半島芸術祭」(2014)、「竹田アートカルチャー」(2011〜)、「in BEPPU」(2016〜)などの現代芸術を中心にしたアートプロジェクトが展開されています。

そして2018年、「おおいた大茶会」では、10/6〜11/25という約2ヶ月の間、県内のあちこちで様々なアートイベントが開催されています。
ざっくり言ってしまえば、お祭りなのです。老いも若きも、日本人も外国人も、障害があってもなくても、文化芸術を通じて、盛り上がろうぜ!という祝祭なのです。

気付けばいつの間にか会期も中盤。2ヶ月間とはいえ多くのプログラムは週末に開催されるものが多く、県内は広大で、全てのイベント(総事業数164)を巡るのはミッション・インポッシブルです。
それでも今年の大分はたいへん面白いことになっているので、私が個人的にお勧めしたい会期中のプログラムを、他の関連イベントと併せて紹介します。
(実際はこの記事を書いている時点でまだゆっくり現地に行けていないので、参加した感想は後日あらためて書きたいと思います。)

①アニッシュ・カプーア in 別府(別府市)

アニッシュ・カプーアは、世界的に活躍しているインド出身の現代彫刻家です。国内では金沢21世紀美術館などで作品を見ることができますが、シカゴのミレニアム・パークにある「クラウド・ゲート」なども有名です。そんな彼の作品を、新作も含めて別府公園で観られます。これはもう事件です。

公園内には有料展示も含めて3つの作品が設置されていますが、代表作の「Sky Mirror」は無料で誰でも見られるので、散歩のついでに作品鑑賞ができます。時間の変遷ととも刻々と変わりゆく空の景色が美しいです。

鑑賞ついでに別府公園の近くにある古本屋、「書肆ゲンシシャ」に立ち寄るのもおすすめです。エロ・グロ・ナンセンスのオンパレードでかなり刺激が強めな書店ですが、他の本屋にはない唯一無二の世界観があって、癖になります。

②なかつ水灯り2018 「Moon River」(中津市)

光や映像を使ったインスタレーションで知られる髙橋匡太さんによる、中津の駅前商店街で展開中のプロジェクト。市内の小学生が「みらいのともだち」宛に書いた手紙入りのボトルメールに光を灯し、商店街内をライティングしています。参加者がその場でみらいのともだち宛の手紙を書いて、展示中の手紙との交換もできるようです。

11/10〜11/18は紅葉深まる耶馬渓エリアでライトアップも行われるので、車で動ける方はこちらにも足を運んでみてください。

③水郷ひた芸術文化祭2018 大巻伸嗣個展「SUIKYO」(日田市) 

大巻伸嗣さんの作品は昨年、上野で開催された「TOKYO数奇フェス2017」で初めて見て、噴水広場に展開されたインスタレーションが印象的でした。

大巻伸嗣「プラネテス -私が生きたようにそれらも生き、私がいなくなったようにそれらもいなくなった-」@上野公園

日田で開催される個展では、水郷・日田の歴史や文化から着想した、布を用いた大型作品「Liminal Air」が展示されています。

「Liminal Air Space-Time」2013

今週末10/27(土)、日田市ではライゾマティクス・アーキテクチャーによる野外イベント「日田の山と川と光と音」が開催されるので、こちらとあわせて鑑賞されることをお勧めします。散策ついでに豆田町さんぽも楽しいと思います。

この記事で紹介したイベントなどの詳細は以下から。

○アニッシュ・カプーア in 別府
http://inbeppu.com/sp/
○書肆ゲンシシャ
http://www.genshisha.jp
○なかつ水灯り
https://www.city-nakatsu.jp/kankodocs/2018060100118/
○大巻伸嗣個展「SUIKYO」
https://www.suikyo.info
○日田の山と川と光と音
https://mrlshita.jp
関連書籍
○おおいたジオカルチャー
https://www.amazon.co.jp/おおいたジオカルチャー-美術手帖編集部/dp/4568506352

おおいた大茶会の関連ツーリズムブック。
公式ガイドブックではないですが、会期中に大分県を巡るとき、大分の土地に根付いた文化を新たな視点で掘り下げるきっかけを与えてくれる一冊です。
ちなみに公式ガイドブックはホームページや県内の案内所などで入手できます。

とりあえず、今週末の日田のライゾマ、とても楽しみです。

#大分県 #おおいた大茶会 #アート #芸術祭 #アニッシュカプーア

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