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ペーパーペーパー

人は紙製のドールみたいなもので。

その紙は、藁半紙なのかコピー用紙なのか高級和紙なのかは分からない。

降る雨は等しいとは思わない。
その強さも様々だと思う。
そんな彼に屋根の下から同情してあげることは出来ない。
ボロボロになっていく姿を見ることは出来てしまう。
そして、もう1つ出来ることがあると思う。
それは傘をさしてあげることだ。

紙製のドールは傘なしで歩き続けることは出来るだろうか。
時には晴れ空で濡れた体を乾かし、またリスタートできるかもしれないが、梅雨が来てしまったら終わりだ。

傘をさしてあげなければならない。
同情してあげることは捨てて、傘をさしてあげなければならないのだ。

今この空の下、どこかで雨に打たれている紙製のドールに多くの人が傘をさしてあげなければならない。

同情してあげることは出来ない。

傘を必要とする紙製のドールは濡れている。

だから見つけられる。

傘をさしてもらえず、ボロボロになった紙製のドールの前で、僕らは目を塞いではいけない。
同時に、近くでボロボロになっていく紙製のドールを探さなければならないのだ。

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