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チームの力を引き出す会議におけるファシリテーションの技術6つの心得

今回は社内の会議の進行に悩んでいる、なかなか会議体の進行の役割を譲ることができないという相談を受けたので、まとめてみます。

社内向けの会議におけるファシリテーションのやり方についてはこちらの書籍が非常に参考になりました。

対社外の関係者も含めたファシリテーションに関しては、こちらの書籍の方が参考になると思います。

1.まずは討論、議論、対話、雑談の違いを理解しておこう

討論→意見の正しさを決める(社内でも意見の正しさを決めてもあまり意味がないでしょう。討論に勝った負けたは社内の会議や外部パートナー様との中では不要なはずです)
議論→結論を出して、次やることに落とす
対話→結論は出さず、新たな意味づけを探る
雑談→気軽な情報のやり取り

です。ファシリテーターは、話す目的によって適切に使い分ける必要があります。特に議論と対話の理解はしておきましょう。

わかりやすいように具体例も書いておきます。

発売から1年で1万部超えない本は増刷はしないべきか?→討論
10代のうちに読んでおくべき本は?→議論
良い本とは何か?→対話
最近面白かった本は?→雑談

問いをおいて対話する際、すでに答えがあるなら、場が対話目的の場だとしたら価値が薄いです。対話の場にしたいなら、お互いに答えを知らない前提の問いをおき、ファシリしましょう。ただ無限に広げると収集がつかないので、どんな話が出そうか?の準備は必要です。社内会議のファシリで議論目的の場はまとめやすいと言えるでしょう。

2.毎日の定例会議は議論寄り。対話の場所は別途会議の場をおくこと

議論と対話の場が混じり合う会議になるとファシリテーションが難しくなります。目的によって会議の場所を分けるようにしましょう。

毎日の定例会議は議論の場によっていることが多いです。議論の中で対話したい中身が出てきたら、別途場を置いて、その場で話す問いの素案を置いて、問いを置いた人がファシリテーションをするのが望ましいです。

例えば議論を目的とした、会議体における報告の形式を考えるとした場合には、

目標は〇〇です。現実は〇〇です

〇〇の差分があります。差分を埋めるために、今日の具体的に次やることとして〇〇をやりますとチームに宣言をし、実行できるような会議体

にしておけば良いでしょう。目標と現実を並べて、その差分が見えてて、その差分に対して何をやるのか?という問いをおけば、議論(結論を出して、次やることに落とす)話の進行になるし、次やることが浮かばない、見えないなど困っている場合もその会議体の場で拾うことができるので、マネージャーはメンバーの支援にも入りやすいです。

3.会議の目的から問いが決まる

目的ごとに会議自体を分けて、会議の参加者もその目的に必要な人が集まる形にすることに注意しましょう。みんなが集まれば良いというものでもありません。

事前に問いを置いた人がファシリをやるのが望ましいでしょう。

ファシリの人は自分の意見に夢中にならないことに注意しましょう(これは毎回自分が猛省することが多いところです)。問いに対する様々な視点からの回答をあるがままに拾いましょう。

4.ファシリテーションする際の過度な一般化に注意しましょう

営業であれば、売り上げ、顧客に喜ぶことの優先度が高まりがち

開発であれば、作れるかどうか?の優先度が高まりがち

などそれぞれの持ってる役割の違いから判断の違いが生まれます。自分の役割から見えるものは、その役割から見えてるだけのもの。それを他の役割から見ている人にも過度な一般化をしないようにファシリしましょう

5.一歩引き、俯瞰し、役割の違いを踏まえ、合意できるポイントを探るように働きかけましょう

一歩引き、俯瞰し、役割の違いを踏まえ、合意できるポイントを探るように働きかけるのがファシリテーターの役割です。この手順があるか?でその後の納得感が異なるので、チームで合意したことに対しても主体的に動ける度合いが高まります。役割が変わると、出てくる意見も変わってくるので、その人自身の特徴としての決め付けはしないようにしましょう。

6.社内会議のファシリテーションの場合には、相手の役割を理解しておきましょう

相手の役割が見えてないと、会議におけるファシリテーションも難しくなります。また同意されていない役割や目標は、納得感の醸成がないので、結果的に確実な次やることの実行が疎かになりがちです。

また会議の場が、声の大きい人の一声の意見で全て決まるのだと、それぞれの役割から見えている衆知を集められないのでファシリテーターは気をつけましょう。

主にこの記事は、社内向けの会議に参加する人達を想定して書いていますが、役割をみんなから書き出しておいてもらい、それをみておいて、ファシリテーション進行をするとより進行がしやすくなります(社内の業務手順が整理されてくると進行しやすくもなります。具体的にやっていることを理解した上で、論点を置いたり、問いかけができるようになるからです)

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