2018.05.10 東京都渋谷区千駄ヶ谷

2018年5月10日
東京千駄ヶ谷、築40年位の昭和の雰囲気が漂うアパート。
春先は植え込みから伸びた白いバラが咲き誇り、2階の壁にまで伸びている。
私が住み始めて10年。この季節は甘い香りが部屋の中まで入りこんでくる。
私はこの家が好きだ。

隣の老夫婦の口げんかにも慣れた。会えば会釈をするぐらいの関係がずっと続いている。
私が二人について知っていることはほとんどない。最近は外ですれ違うこともなく、窓や壁越しに二人の生活を感じる程度だ。私が越してきた当時に比べれば、焼き魚や煮物、手料理の香りが漂ってくることもなくなった。物音と口げんか、笑い声などはほとんど聞こえてこない。年老いた夫婦の生活とはこんなものなのだろう。

だけど、この二人の生活は後何年続くのだろう。どちらかが病気になれば簡単に生活は破たんするのは目に見えている。高齢化社会と言われて久しいが、今の日本の高齢化率は25%を超えているという。東京都渋谷区、都会の片隅のアパートの一室でも着実に高齢化が進んでいる。「また豆腐買ってきたのかよ!何個買ってくるんだ!いい加減にしろよ」そんな口げんかは後何年聞けるのかと思う。老老介護、孤独死、ふと最近耳にした高齢化社会にまつわるキーワードが頭をよぎった。

読んでいただいてありがとうございます。サポート頂いたお金でビール飲みながら色々考えます。