2018.05.17武蔵野線新秋津駅

所沢からの帰り道。今日は30度を超えただろう。3時ごろの日差しが焼けるようだった。汗だくだ。武蔵野線は10年ぐらい通勤で利用した路線で、沿線に緑が多く好きな路線だ。昔、帰宅時間、遅い電車ではビールを片手に乗車する人も多かった。今日は5時台だからそんなことはない。土日で競馬のある日となれば、早朝から競馬新聞に熱心に目を通して府中本町を目指す人が多かった。日曜出勤の朝、そんなワンカップが似合うおじさんの真面目な顔つきが好きでよく観察していたものだ。精神科の平均在院日数が約270日なかなか退院への道のりは遠い。家族が受け入れに難色を示すことは珍しいことではない。しかし、本人はあの手この手で退院を希望してくる。一方で「外泊いいですよ」と言われると不安で調子を崩すことは珍しいことではない。一朝一夕に事態は進展はしない。しかし、よく経験する事だけど本当にふとした瞬間に問題は解決することがある。「あの試行錯誤はなんだったの?」「そこ???」と。

私達も同じではないか??ふとそう思った。あの日々はなんだったんだろうと思うほど呆気なく問題が解消することある。

でも、そのあがき…これが大事なんだろう。
何が大事かははっきり言葉にできないけど、あがいてなんぼ。たぶん今はあがくだなと腑に落ちた。

でも、それでも、270日ぐらい退院のためにあがく必要がある、おそらく大多数の人はもっとあがき続けないと退院出来ない。日本の精神科病院は異常なんだ。

10年単位で入院している人は珍しくはない。
一見あがくことを放棄し、流れに身を任せ、抗うことをしない、いや、しなくなった彼らがもう一度あがく起爆剤はなんなのか?そんなものはあるのだろうか?

そんなことを考えて、またふと、そう考えること自体が暴力的で一方的な考えなのかもしれないと思った。

ただ寄り添い、否定も肯定もしない。
ふと彼らから言葉が紡ぎ出されるのを待つ
そんな眼差しを私もじっと彼らに向け続けたいと思う。

夕焼けがキレイだ。

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