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横浜中華街がつまらなくなった、ギャップで一時増加する売上利益の罠

もともとが高級だというイメージが安売りをすれば短期的には売れるんですね。だからこそ「安売り」というのは、多くの人がハマりやすい手法だったりします。競争戦略においても価格差別化というのは最も誰にでも短期的にはできることなのです(長期的に持続できるだけの仕組みが作れるかは関係なく)。

都市においても観光戦略で過去に積み上げた知名度をもとにローコンテクストの分かりやすいテーマパーク型観光地として安売りするというのは結構簡単だったりします。先日行ってきた奈良もそうですね。大仏と鹿を出汁にて、京都と一緒くたにした修学旅行ビジネスはまさに過去の蓄積を安売りして成立するビジネスだったりします。それによって失っているものについてはあまり気づいていませんね、と先日お話してきました。

大仏商法をどうにかしてくれジジイとの対決をして10年以上経過しますが、今回はまともな参加者ばかりでそんなくだらぬことは言わず、やはりハイコンテクストな長い歴史の資産をどう奈良として活かすのか、参加者の皆様は考え、登壇者の皆様も実践に向けて議論を行っていたので印象的です。

それでは目先のローコンテクストの分かりやすい安売りが地域にもたらす影響について、横浜中華街を例にとってその変化について私なりに解説したいと思います。観光地、商店街振興とかで起こりやすい、安くたくさん戦略の行き着く先とでもいいましょうか、そのあたりを解説します。


○ 短期的な安売りがウケるのはギャップが常に発生するから

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