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コレクション紹介その2 絞り羽織の技法

コレクション紹介その2の解説は、絞りの羽織です。昭和30年から40年にかけて、女性のあこがれの的であった絞りの羽織です。国内での生産が間に合わず、韓国に発注されていた時期もありました。

羽織の全体像です。

名称をつけるとしたら、「桜色地縦縞模様総絞り羽織」。桜色の部分は矢羽根文様と四角の絵柄を絞りで表現し、その隣は赤・青・黄色の三色で染めています。縦縞部分には絞りで唐草文様と木の葉(もしくは花)、もう一本の縦縞は鹿の子絞りです。
前回のその1と同様に、絞りをご専門にされてきた池崎愛二氏に製法などにつき解説していただきました。

肩部分です。

「これは大変に難しい技法です。特に絞りで縦の絵柄を表現するのは技術の要ることです」

ゆるい曲線が美しい

「先に桜色の染をして、最後に黒を染める訳ですが、ちょっとでも色がにじむと今までの仕事がすべて無駄になります。そうなったら商品としては終わりです」

唐草部分は一目絞りです。

「この羽織生地を作るには、桶屋(桶絞りをする人)と染め屋の信頼関係が必要です。多くの技術が加わっているので、昭和30年頃の価格で40万円から50万円くらいだったのではないでしょうか?色も当時の流行を反映して、いかにも和風という色合いではなく、薄い桜色など、どこか洋風の感じがあります」
ということで、絞りの羽織がふんだんに出回っていた時代でも、非常に技法的に難しく、価値のあるものであることがわかります。今では望んでも手に入らない職人技の集積ですね。

【協力】執筆にあたり、絞りの専門家でいらっしゃる池崎愛二氏のご協力をいただいております。池崎氏のインタビューも御覧ください。
https://note.com/showakimono/n/nd53f9c428d7e

似内惠子(一般社団法人昭和きもの愛好会理事)
(この原稿の著作権は昭和きもの愛好会に属します。無断転載を禁じます)

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