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ブラック企業で鬱になったから、ホワイト企業に転職したら元気になれると思ってた

かなりのあいだ下書きに寝かせていた文章です。

これまでのお話

いっけなーい🔪殺意殺意💦わたし、ブラック企業で働くOL👩‍💼✨週6勤務&終電帰りを続けていたら鬱になっちゃってもう大変😵診断書までもらってきたのに「ウチの会社、休職とかないから😅」って辞めるか死ぬかの2択ってこと〜?!💦逃げるは恥だが死ぬよりまし👊次回「わたし、ホワイト企業に転職キメる」お楽しみに💓

というわけで転職しました。転職先はよりホワイトそうな同業他社。あえて業種を変更しなかったのは、仕事自体は気に入っていたから。また、短くとも実務経験があり、まあまあの実績も出せていたので、幸運にもわりといい条件で拾ってもらうことができました。給料は上がりました。休みも増えました。労働時間は減りました。残業代がもらえました。誰も病んでなくて、誰も職場で吐いてませんでした。これが「ちゃんとした」会社なんだと思いました。ここにいれば鬱も治ると思いました。でも治りませんでした。いったいなぜなんでしょうか? わたしが聞きたいくらいです。

ブラックがホワイトになれば鬱が治るわけではない

わたしは会社のブラックぶり(要するに働きすぎ)によって鬱になったので、そこがホワイトになりさえすれば(つまり労働時間が減りさえすれば)鬱は(自然に)治るだろうと考えていました。しかしそううまくはいきませんでした(もちろん、それでうまくいくひともいるのでしょうが……)。すくなくともわたしの場合は、ちょっといい企業に転職したところで鬱は鬱でしたし、仕事は嫌でした。そこで反省も踏まえて、いったい何がいけなかったのかーーあんな優良企業のどこが気に入らなかったのか、ひとつひとつ振り返ってみたいとおもいます。

①とにかく暇

わたしが一番しんどかったこと。それはとにかく暇だったことです。
おそらく、ブラック的勤務経験(連日終電まで残業するなど)のあるひとなら誰でも、ひとたびホワイト企業に行けば「え?やることコレだけでいいの??」と感じると思います。実際わたしも「え?やることコレだけでいいの??」と思いましたし、毎日かなりの時間を持て余していました。正直に言うと、1日のうち5時間くらいは暇だったと思います。5時間ぼーっとして、3時間だけ頑張ってました。それでも余裕で仕事が回っていました。

はじめのうちは手が空けばすぐに「何かお手伝いすることありませんか?」「この仕事進めておきましょうか?」等々と聞いて回っていましたが、聞いたところで「え?別にないよ」「え?別にいいよ」と(なんなら面倒くさそうに)言われる始末。ある日わたしは気がつきました。

もしかして、みんな暇なのでは?

そう。暇なのはわたしだけではないのです。みんな暇なのです。でもみんな何かをしている「風」なのです。ははあ、これが噂に聞く「仕事しているフリをするのが仕事」ってやつか……、わたしは案外効率厨なので、頑張った感を出すためにどう考えても無駄な仕事(ほとんど散歩の営業回り、無意味に資料を作る、無駄に会議を開く、やたら人の仕事に意見を出す……etc.)を作り出しては上司にアピールするオッサンが不快でした。

ここで「よし、じゃあわたしも仕事してるフリだけして給料もらお!暇で稼げるなんてラッキー!⭐︎」とできればよかったのですが、わたしにはそれもできなかったんですね……。そもそも性格的に「暇」ということが苦手だし(時間の流れが遅すぎてキツイ)、何かしていないと落ち着かないっていうか……時間が有り余ってるから余計なこと考えちゃうし、なんか罪悪感が募るっていうか……特にやることもないのにわたしがここに存在している意味とは……?わたしの生きる意味とは……?わたしなんて誰にも必要とされていない、何の価値もない人間なんだ……はあ……鬱…………みたいな思考に(マジで)なるんですね。飛躍しすぎっていうのは自覚してるんですけど、なんかマジでこうなっちゃうんですね。

ホワイト企業で、労働時間が短くて、休みがちゃんとあるということは、それだけ短い時間しか働かなくても仕事が回るってことです。実際にやるべき仕事は毎日3時間分しかなくて、あとは暇ってことです。だから定時に帰れるんです。じゃあ働くの毎日3時間だけでいいんじゃないの?ってわたしは思いますが、なぜかそうはいかないのが日本……。

で、わたしのように常に何かしていたいタイプの人間は、こういう「虚無」の時間が多すぎると自分の存在意義を見失い、鬱が加速しました。ちなみに古くてでかい企業ほどこういう傾向がある気がしています。ITとかベンチャーはまた別だと思いますよ。たぶん。

②管理職は過労

一方、これまた不思議なことに管理職はめちゃくちゃハードワーキングしているんですよね。今管理職にいるような年代の方々は働き方改革がどうこう……以前の時代から勤めていらっしゃると思うので、彼らにとってはそれが「ふつう」なのかもしれませんが。かと言って、管理職につけるくらい賢い方々ですから、我らゆとり世代に同じくハードワーキングするよう強要してきたりはしません。なんなら会社自体ホワイトを売りにしているわけなので「残業しろ」なんて言えるはずがないんです。するとどうなるか、というと……

部長「あ、この仕事、あとは僕がやっとくんでいいですよ!〇〇さんは先に帰ってください!大丈夫です!部長っていうのは忙しいのが仕事なんで!」

というような事態が頻発します。「いやそんな、わたしも残ります!」なんて言おうものなら「やめてください!残業させると怒られちゃうんで!!」みたいな。ありがたいんですけど、本当にありがたいことなんですけど、なんか、これも鬱にはキツイんですよね……。「あっ、じゃあおまかせしまーす!⭐︎」って言えればいいんですけど、わたしは「ヤバいわたしのせいで部長の負担を増やしてしまった……わたしはこんなに暇なのに部長はあんなに忙しくしている……わたしってなんて役立たずなんだろう……わたしは無能な人間……生きている価値のない人間……わたしは……(以下ループ)」ってなるので精神状態がますます悪化しました。

③人間関係がクソ

以前どこかで「ブラック企業ほど人間関係だけはいい。ブラックに耐えられるようなお人好ししか残らないからです(要約)」というようなツイートを読みましたが、これは真理だと思いますね。ブラック企業の先輩って、案外優しいんですよ。社長とか部長は鬼で、(そこに虐げられてる)係長くらいの人はめちゃくちゃ優しいってイメージです。イメージですが。

それに比べて、ホワイト企業の人間関係はギッスギスでした。わたしが人間関係ガチャ外したのもあると思うんですけど、もう本当にギッスギスでした。私的揉め事ばかりなので詳細は省きますが、とにかく陰口と派閥争いと責任のなすりつけ合いがすごかったです。出世レースがあるからギスギスするんですかね。でかい会社ってどこもそうなんでしょうか。あんまりでかい会社で働いたことないから分かんないけど……。まあ、全体的に良い人間が少ないというか、悪い人間が多いというか、真面目なんだけど嫌な奴が多いっていうか、陰湿なやつが多いっていうか、要するにみんな嫌いでした!(笑顔)

あとは、なんでこいつクビにしないんだろう??ってくらい働かない人間もゴロゴロいましたね。ずっとなんで??って思ってたけど答えは簡単で、べつに働かなくたってクビにはならないからです。尻拭いをする周囲の人間にはとにかく反感を買いますが、それを気にしない傲慢ささえあれば、多少働かなくたってぜんぜんやっていけます。給料もちゃんともらえます。ブラック企業だったらすぐ給与だの賞与だのカットされますけど(実話)、ホワイト企業はまさかそんなことしませんからね。

また、ホワイト企業においては、まあまあ無能な人間でも、とにかく勤続年数を稼げば、そこそこの位置まで昇進できます。かくして「無能な上司」が量産されていくわけです。いつもメールの文面がやたら長く敬語が過剰なくせして、中身はスッカラカンな感じの無能さです。人のこと無能とか言って本当に申し訳ないんですけど、ちょっと他に良い形容詞も見つからないのでこのまま続けます。すいません。いずれにしても、自分には成果主義の方が合っていたと思います。無能の下で働いていると、なんでこんな無能の下で働かなきゃいけないんだろ、みたいな気持ちになってきちゃうからです。

でも

でもこれがわりと「普通」の会社なんだと思います。無駄が多くて、仕事するフリするのがうまいやつが褒められて、管理職になると働き詰めで、人間関係がギスギスしてて、無能な奴が出世する。これが「普通の会社」であり、「普通の社会」なんだと思います。たぶん。ここまで読みながら、あ〜うちの会社もそうだわ、そういうことあるわ、って思った方も多いのではないでしょうか。

当時のわたしは、仕事をしに来ているのかタバコを吸いに来ているのかわからない社員にも、愚痴をしゃべることとお菓子を食べることしかしない事務職にも、なぜ部長になれたのかわからない部長にも、とにかく、毎日、イライラしていました。でも、たぶん、みんなもイライラしていたんだと思います。みんな、それぞれにストレスと理不尽さを抱えながら、それでも頑張っていたんだと思います。美輪さんも言ってました。お給料はガマン料。みんな何かをガマンしながら働いているんです。嫌なことがない仕事なんてないんです。

そうですよね?

だとしたら。

だとしたら、みんなみたいにガマンできない自分の方こそ、無能なのではないか?

と、わたしは思いました。わたしは。わたしは、やっぱり職場が近づくと動悸がしました。帰るときにはフラフラしました。嫌なことがあると胃の下の方から黒いモヤモヤがワ〜〜〜〜〜〜〜っとでてきて、吐き出さずにはいられませんでした。良い会社で働いていると思っていたのに体調は悪く、半年くらい蕁麻疹が出てました。時々起き上がれなくなって休みました。ホワイト企業だからこそちゃんと導入されているストレスチェックで極悪な数値を叩き出し、そのストレスの原因たる上司に「病院行きなよ」と言われ、わたしはまた

病院に戻りました。

実際、わたしみたいに毎日死にそうな顔して働いている人はほかにいませんでした。みんなどうしてあんなに普通に働けるのか?鬱だから耐性が低いのか、己の個体値がそもそも低いのか、もはやわかりませんでした。

ひとつ言えることは、わたしはそもそも会社員に向いていなかったのではないか?ということです。会社員に向いていない以上、どんなに「良い会社」に勤めたって向いていないものは向いていないのです。むしろ、世間一般的な「良い会社」は「(会社員向きの人間にとってはより)良い会社」ということなんだと思います。わたしのように会社員に向いていない人間は、もっと会社っぽくない会社(たとえばベンチャーみたいな)にするか、さもなくば会社に勤めること自体を諦めるべきだったのです。

会社員が悪いとか、社会が悪いとか、社会に反抗する俺かっこいいとか、そういうことを言いたいのではありません。むしろ自分の父親は会社員らしい会社員なので、わたしはそういう働き者たちをリスペクトしています。だからこそ認めたくなかったんです。でも、どうやら事実のようです。わたしは会社員に向いていないのです(これはめちゃくちゃネガティブな意味で、会社員に向いていない=社会に向いていない=社会に向いていない俺が生きる意味とは……という含みがありますが、どんなに向いていなくても生きていくしかないからがんばろうな)。思えば学校にもなじめなかったんだから、そこと地続きの会社でうまくやっていけるわけがなかったのだ………………………………

つづく。(たぶん)

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