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新刊のご案内【集英社文庫3月刊】

みなさんこんにちは。
集英社文庫noteです。

すっかり春らしく、桜の花も見ごろを迎えました。
日に日にあたたかくなって気持ちも上向くようです。

さて、3月19日に集英社文庫の3月刊が刊行されました。
今月は9作品。
こちらの記事では、それぞれの魅力をご紹介していきます。
みなさんのお気に入りの一冊が見つかったら幸いです。


ドラマ化決定! 女性の貧困と生殖医療ビジネスの倫理を問う衝撃作

まずはこちらをご紹介。

『燕は戻ってこない』

『燕は戻ってこない』
桐野 夏生

第64回 毎日芸術賞 第57回 吉川英治文学賞 ダブル受賞作!


TVドラマ化 NHK総合 ドラマ10「燕は戻ってこない」
2024年4月30日(火)22時から放送スタート予定(全10回)
出演:石橋静河 稲垣吾郎 内田有紀 ほか


「金がないことがこんなに心細く、息苦しいとは思わなかった」。
憧れの東京で病院事務に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。
「割のいいアルバイト」だと同僚に卵子提供を勧められ、ためらいながらもクリニックに向かうと国内では認められていない〈代理母出産〉を持ちかけられ――。
女性の貧困と生殖医療ビジネスの倫理を問う衝撃作。第64回毎日芸術賞、第57回吉川英治文学賞受賞作。

最初にご紹介するのはドラマ化が控えるこちらの作品。
『燕は戻ってこない』
非正規雇用者で日々の暮らしもままならない主人公の女性、リキはお金と引き換えにとある夫婦の代理母となることになります。
〈代理母出産〉は日本では公に認められていないのですが、海外ではいくつも事例がある医療行為。また、未来のことを考えると決して他人事とは言えないところまで来ているような気がします。
妊娠出産はすぐに、とはいかないからこそ、それぞれの思いや欲が絡み合い”人間”というものをまざまざと突き付けられる作品です。

女性の生き方を考える2冊

続いてはこちらの2作品をご紹介!

左から『我が友、スミス』『定年女子 新たな居場所を探して』

『我が友、スミス』 
石田 夏穂

第166回芥川賞候補作 第45回すばる文学賞佳作
前代未聞の筋トレ小説! 「勝ちたい。この身体で、勝ちたい」

Gジムに通う会社員・U野は、トレーナーからボディ・ビル大会への出場を勧められ、本格的な筋トレと食事管理を始める。
しかし、大会で結果を残すためには「女らしさ」も必要だった。そ
れって筋肉美とは関係ないよね? と、モヤモヤした思いを抱えたまま迎えた本番当日。
彼女が決勝の舞台で取った行動とは――。
前代未聞の筋トレ小説! 第166回芥川龍之介賞候補作。第45回すばる文学賞佳作。

『定年女子 新たな居場所を探して』 
岸本 裕紀子

豊富な取材で生の声をお届け♪ 「コロナもありましたが、変わらず元気です!」
二拠点生活、65過ぎてからの仕事、親の介護&孫の世話……。忙しくも充実している、定年女子たちの現在地。
ドラマにもなった大好評シリーズ第3弾!

まだまだ元気な60~70代、これからが人生本番と思っていたら、コロナ! 
価値観や生活様式が大きく変化し、窮屈な日常を強いられることに。
それでも、前向きに、工夫を凝らして自分の居場所を充実させてきた、たくましい定年女子たち。
その生の声を豊富に紹介。
健康、やれる仕事、趣味、家族との関係と向き合い、「老後の前の時間」を楽しく過ごすパワーとヒントを与えてくれる、シリーズ第3弾。

女性の生き方を考える2冊をご紹介しました。
『我が友、スミス』
こちらは、ボディビルの大会に挑戦する女性の姿を描いた筋トレ小説!
自分の身体と向き合い、鍛え、磨き上げていく主人公ですが、大会を目指す中で”女性らしさ”を求められ悩みます。
”ボディビル”と言われるとなんだか日常生活からは遠いもののように思えるかもしれませんが、描かれている心情は心当たりのある方も多いはず!
『定年女子 新たな居場所を探して』
こちらは人気シリーズの第3弾!
いくつになってもパワフルで元気な定年女子たちからは活力を貰えます!
人生100年時代と言われる昨今。生き生きと日々を忙しく生きる彼女たちの姿は新たな時代の道標ともいえるかもしれません。より良く生きる知恵を学べる一冊です!

歴史や先人の言葉から学びを得られる本3冊!

次は、こちらの3作品を。

左から『よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる』『おから猫』『ドジャー・ブルーの風』

『よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる』
佐藤 賢一

ユダヤ教・キリスト教・イスラム教
世界で二人に一人は、一神教徒! だから一神教がわかると世界がわかる!
最新情勢を踏まえ、大幅に加筆‼ 世界史と宗教問題をわかりやすく学べる一冊。

今、世界は第二次世界大戦以来、最も危険な状態だと言われる。
ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの衝突は、なぜ起こるのか。
それを深く知るには、「一神教」の知識が不可欠――。
本書では、同じエルサレムを聖地とするユダヤ教、キリスト教、イスラム教に着目し、その起源や地理、歴史を西洋歴史小説の第一人者がわかりやすく解説する。
図版満載&明快な構成で世界史入門書としても。

『おから猫』
西山 ガラシャ

尾張名古屋にある、おから猫神社。
詣でれば、願いはすべて叶う⁉
名古屋愛と歴史がたっぷり詰まったユーモア時代小説!

名古屋城の南にある「おから猫神社」。猫神様に願いを叶えてもらおうと、今日もさまざまな事情を抱えた人がやってくる。
葛飾北斎が名古屋入りすると聞き、ひと儲けしようと考える書林の主。
「いとうさん」と呼ばれる呉服店で働くことになった、元武士の妻。
納屋橋を西洋風に架け替える仕事を任された青年……。
みんなの願いは叶うのか?
 人々の想いと歴史が織りなす、傑作ユーモア時代小説!

『ドジャー・ブルーの風』
野茂 英雄

新装版緊急刊行‼
2024年MLB開幕! 大谷翔平、山本由伸がLAドジャース入団!
今こそ大いなる先輩・NOMOの声に耳を傾けるべし!
新人王を獲得しメジャー2年目を迎える時点での独占手記。

1995年にLAドジャース入団。
アジア人初の新人王を獲得する大活躍で世界を熱狂させた伝説のトルネード。
大谷、山本らへと連なる日本人メジャーリーガーの道を切り拓いたレジェンドが熱く語る。
初年度総括と二年目の抱負、日本球界への提言やMLBの特徴など、金言の数々。
当時話題をよんだ独占手記の新装版を緊急刊行。
語り継がれるノーヒットノーランを含む96年の全登板成績も収録した永久保存版。

学びを得られる3作品をご紹介しました!
『よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる』
こちらは宗教の観点から世界史を理解できる作品。われわれ日本人は人口の約半分が無宗教と言われており、宗教的観念と言われてもいまいちピンとこない人が多いかもしれませんが、世界を見ると生活に根付いたものであり世界情勢を理解するには欠かせないものです。
文庫化に当たり、より今を知るための新章、ウクライナ戦争についての章も追加されていますので是非お手に取ってみてください!
『おから猫』
こちらはかわいい猫のカバーが印象的な一冊。
猫が出てくるファンタジックな話かと思いきや、時代を跨ぎ名古屋の歴史を芯に語られる歴史小説です。
名古屋には実際におから猫神社と呼ばれた「おおただ禰子ねこ神社」があります。本当に猫神様が願いをかなえてくれたら……と思いを馳せずにはいられません。
『ドジャー・ブルーの風』
こちらは1997年に集英社文庫から刊行された本の新装版!
今年から大谷翔平選手、山本由伸選手がLAドジャース入団に入団し日本でも大注目のメジャーリーグ。
同じLAドジャースに在籍していた偉大なる先達、野茂英雄さんの手記が読みやすくなって登場です。
今年のメジャーリーグ開幕戦は3月29日! 日本人選手の活躍がもっと楽しみになる1冊です!

切なくて愛おしい青春の日々を描いた作品

続いてはこちらの3作品をご紹介。

左から『吸血鬼と愉快な仲間たち bitterness of youth』『ハツコイハツネ』『マリーナ バルセロナの亡霊たち』

『吸血鬼と愉快な仲間たち bitterness of youth』

大人は、平気で嘘をつく。
暁の子供時代が明かされる、人気シリーズ番外編
児童養護施設で暮らす暁。心を固く閉ざした彼に、手を差し伸べたのは……。

両親がおらず、親戚の家に居候している小学生の暁。
優しい叔母に守られて暮らしていたが、叔父の失業をきっかけに、穏やかだった日々は終わりを告げる。
叔母の「噓」で家を追い出された暁は、児童養護施設へ。
大人を信用できない暁も、園長の諫早にだけは心を開くようになるが――。
〈寂しくても一人がいい。誰にも裏切られない一人がいい。〉
ほろ苦い少年時代の終わりを描く、シリーズ番外編。

『ハツコイハツネ』
持地佑季子

音が〈聴こえる〉彼女と、音を〈奏でる〉僕
音が導く二人の運命は、時を経て、再び重なりあっていく——
切なく愛しい、初めての、そしてたった一つの恋の物語。

コーヒーショップの店員に一目惚れした亮介。
勢い余って告白した相手は、中学の同級生・香澄だった。
8年前、ピアニストを目指していた亮介に「素敵な音を出すのね」と告げてきた転校生の香澄。
一学期だけを共に過ごしまた転校していった彼女との運命的な再会から交際が始まるが、実は香澄は〈人の感情が音として聴こえる〉という特殊な体質で……。〈音〉をめぐる、永くて切ない初恋の物語。

『マリーナ バルセロナの亡霊たち』
カルロス・ルイス・サフォン

世界的ベストセラー小説『風の影』の原点
スペインの巨匠カルロス・ルイス・サフォン幻の初期作!
〈忘れられた本の墓場〉シリーズの萌芽!

ある日の放課後。
寄宿学校に通う15歳のオスカルは、荒廃した城館に迷い込み、そこに住む少女マリーナと親しくなった。
彼女に導かれ人知れぬ墓地を訪れると、黒い蝶が彫られた墓碑に赤いバラを添える貴婦人の姿が。好奇心で後を追うオスカルとマリーナ。しかしその先には霧の都バルセロナの覗いてはならない秘密が隠されていた――。物語の魔術師サフォンが描く幻想と怪奇に満ちた幻の初期作。

【特集ページはこちら】

青春小説3作品をご紹介いたしました!
『吸血鬼と愉快な仲間たち bitterness of youth』こちらは人気シリーズの番外編!
本編の主人公アルの面倒を見ているエンバーマーの暁。
彼の切ない過去が語られます。
文庫限定の書下ろしショートストーリーも収録! ファン必見の一冊です。
八年越しの初恋を描いた恋愛小説『ハツコイハツネ』
主人公・亮介が一目ぼれした相手は中学三年生の時の同級生だった。再会を果たした二人は交際を始め、あの頃に止まった時間が動き出します。
しかし、彼女は人の心が音として聞こえる特異体質で……?
好きだから一緒にいたい、でも、好きだから離れなければいけない、そんな葛藤を抱える二人の恋模様に胸を焦がすこと間違いなしです!
『マリーナ バルセロナの亡霊たち』こちらは世界各国で大ベストセラーとなっている<忘れられた本の墓場>シリーズの作者、サフォンの幻の初期作!
霧の都、バルセロナを舞台に一人の少女と少年が遭遇した一週間の不思議な出来事。ロマンあふれるファンタジックなミステリーがお好きな方は是非ご一読を……!

いかがだったでしょうか?
今月もバラエティ豊かな集英社文庫でした。
来月の刊行もお楽しみに!

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