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NFTをばらまいているので、もらってください

8/1にプレスリリースを出しました。
「夏に挑戦したいこと」をキャンペーンサイトに登録すると、無料でNFTを発行する企画です。


弊社では去年からWeb3に取り組んでいて、これまでにもいくつかNFT関係のサービスをリリースしてきましたが、今回もその実験的な取り組みの1つです。

これらの取り組みはどれも、ブロックチェーンへのアクセスを簡単にすることを目指しています。今度はタダでNFTをばらまいて、ブロックチェーンの利用者を増やそう!という企画ですね。

ということで、なぜこんなことをしているのか、という経緯をお話しします。



「証明書としてのNFT」に期待

ブロックチェーン技術の活用については世界中でいろいろ検討されていますが、中でも僕が期待しているのは、証明書としての活用です。

ブロックチェーンのデータが従来のデータと大きく違うのは、データがオープンなこと、そしてデータの管理者が不要なことです。
「NFTは改ざんできない」も有名ですが、じゃあ既存のデータは改ざんされまくっているかと言えばそうでもないし、そもそもトークン発行時にウソ情報を書き込まれたら意味がないので、「改ざんできない」という特徴は実用上それほど重要ではない、というのが僕の意見です。

たとえば、卒業証書や資格試験の合格証書をNFTにする、というのは定番の例です。
紙よりはデータの方が偽造しにくいですし、発行団体がなくなっても、証明書が本物であることを証明できます。まあもちろん、ブロックチェーンのネットワーク自体が消滅するリスクはあります。NFTではなく、ファイルのハッシュ値をブロックチェーンに記録して改ざん検証ができる「Blockcerts」という技術もあります。
このBlockcertsとNFTを組み合わせた千葉工業大学の事例が有名ですね。


職歴をNFTに記録する、という考え方もあります。
通常、私たちの仕事の評価は所属企業が管理しますが、その情報をNFTに記録すれば、企業が管理コストを払うことなく、その情報を個人に紐づけることができます(正確には、NFTの発行手数料「ガス代」が多少かかります)。
企業によっては、自社での経歴情報を外部公開することに抵抗があるかもしれませんが、逆に他社の経歴を見ることもできるわけです。いまの履歴書は全部自己申告ですが、他社での働きぶり、アルバイトの履歴、学校の成績、ボランティアの参加歴、など、これまで見えなかった経歴情報を客観的に知ることができます。


会員証のような使い方もあります。先日「アイドルトークン」の話を聞きました。

簡単に言うと、推しのトークンを持っていればイベントに参加できる、というものです。
ただ機能を実現するなら別にブロックチェーンでなくても良いのですが、現金ではなくトークンで権利を買うということは、人気が出てからファンになった人よりも、人気がない(=トークン価値が低い)段階から応援している古参ファンの方が、少ない投資でたくさんのリターンを得ることができる、ということです。
価値が変動しやすいNFTの特徴を活かしたおもしろさがあります。


もちろんなんでもブロックチェーンにすればいいかと言えばそうではなく、同じ「証明書」でも学生証や社員証などは、発行主体が無くなったら不要なものですし、持ち続けることが価値になるわけでもないので、ブロックチェーン化するメリットは薄そう、と考えられます。
証明の機能を実現するなら既存のITでも同じことなので、ブロックチェーンの特徴を活かせるユースケースを探すことが大事ですね。


必要なのは「ウォレット」「証明書発行システム」「証明書管理システム」の3つ

ということで僕は証明書としてのブロックチェーン活用を推しているのですが、これが社会に定着するには、足りないものが3つあると考えています。

まずはウォレット。
ブロックチェーンにアクセスするには、トークンを管理する「ウォレットアドレス」が必要です。いずれは、メールアドレスのように「誰でもとりあえず手に入れるもの」になるでしょう。
ウォレットアドレスの取得は、ただアプリを入れればよくて、それほど難しいことではないのですが、必要性がよくわからないですし、いまだになんだか怪しいイメージがあるので、身近な人に話を聞いても、まだ持っていない人がほとんどです。

次は証明書発行システム。
実はトークンをノーコードで簡単に発行できるツールはすでにたくさんあるのですが、汎用的に作られているので、ブロックチェーンの意味をある程度理解していないと使えないというか、つまり一般向けではありません。これが解消されて誰でも簡単にトークンを発行できるようになれば、ブロックチェーンの活用が進むはずです。

そして証明書管理システム。
ウォレットを使えば自分の持っているトークンを管理できますし、NFTマーケットプレイスであるOpenseaなどを使えば、誰がどんなNFTを持っているのかを知ることは可能です。ですが、これらも汎用的すぎて、どう使えばいいかを考えるのが難しい。やはり提供者側が「こういう風につかってね」と意図的にデザインしたサービスが必要だと考えます。


証明書NFTを推進する2つの企画

これらの課題を解決するために、2つのことを始めました。

NFTプロフィール作成サイト「trustalent」

後述の「夏の挑戦状」で手に入れたNFTだけでなく、もともと持っているPolygonネットワークのNFTもここに表示できます

ウォレットでログインして、自分のプロフィールページを作成 & SNSなどでシェアできます。自分の持っているNFTを経歴情報として表示することで、いままでのプロフィール作成サービスとは違った自己表現ができます。

このサイトでは、NFTのことを「トラスト」と呼び、あえて経歴証明とか自己表現という「NFTの使い方」を強制しています。わざと自由度を下げたデザインにすることで、NFTのユースケースを確立できるんじゃないかと考えました。


NFT配布キャンペーン「夏の挑戦状」

プロフィールサイトがあっても、表示するNFTが無ければ意味がない!ということで始めたのが「夏への挑戦状」キャンペーンです。
ブロックチェーン普及の一番のハードルである「ウォレットアドレス取得」を乗り越え、たくさんの人にNFTをもらう体験をしてほしいと考えました。

つまり企画はなんでもよくて、僕のUdemy講座の修了証とか、仕事の評価とか、スモールサンキューを伝え合うとか、いろんなアイデアがあったのですが、一番簡単に投稿できそうなものを選びました。来月はまた違うテーマでばらまきキャンペーンやるかもしれないですね。「夏に挑戦したこと」?とか。


このNFT、即座に高く売れるとか何かの役に立つとかではありませんが、テストに付き合ってくれた弊社のスタッフや知り合いに聞くと、意外と「もらえるだけで結構うれしい」という感想を頂戴します。
ウォレットアドレスの導入方法も別noteに作っているので、ぜひ(怪しいと思わず)弊社の発行する「夏の挑戦状NFT」をもらってください!

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