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身勝手な私のはなし その5 〜 楽しいだけでは恋ではない?

昨日夕方、私は最寄駅から15分も歩かなければならないお店に向かって一生懸命歩いていました。駅に着いた段階で約束の時間。すぐに、「今、〇〇駅なので先に飲んでいてください」とメールを入れました。
すぐに「ゆっくりでいいですよ。気をつけて」との返事。

連絡にメールって、いつの時代の話かという感じですが、私とその彼はLINEの交換をしていないのです。昨日は先日一緒に焼き鳥屋さんに行った彼と秋刀魚を食べに行く約束をしていました。

この彼、どんな人なのかちょっと振り返りたい方はこちらを読んで戻ってきてください。ここからは彼のことをKBさんと呼ぶことにします。

ちょっと息を切らしながらお店のドアの前に立つと、「本日貸切」と張り紙がしてあります。
「まさか、居酒屋を私のために貸切にした? いやいや、そんなはずはない」と思いながら、恐る恐る扉をあけると、知らない皆さんがずらっと座っていました。お店の方が奥から出てきて、「今日、貸切なんです」と一言。

「予約したと聞いていて」と私。
「もしかしたら、もう1店舗の方かもしれませんよ。〇〇駅のすぐそばです」と店員さん。

それを聞いて私は絶句しました。なぜなら、そのお店に行くにはもと来た道を15分戻らないといけません。くる時もタクシーが捕まらず歩いてきたのに、また歩くのか……。
というか、「本当にそっちの店なのかな? 他に店舗はないのだろうか」
と不安になりました。

歩きながら「間違って××店に行ってしまいました」とメールをしました。正直この時ほど、LINEの交換しておけばよかったと思った瞬間はありません。それに、彼とのメールのやりとりを見返しても、間違いなく指定されたのは貸切になっていたあのお店なのです。

「間違っているの、KBさんなんじゃない?」そんな気持ちにもなり、「まったく、なんなんだ」とちょっと怒りも湧いてきました。

歩いているとタクシーが来たので、とりあえず乗り、もう一つのお店を検索。運転手さんに行き先を説明していると、KBさんからメールが入ります。

「何かあったら電話ください」と電話番号。
速攻電話しました。すると、5コールなっても出ないのです。

「もう、早く出てよ!」とちょっとイライラ。
やっと出た彼の声はのんびりした調子でした。
「ごめんなさい。お店間違えちゃって。お店の住所、教えて」と言うと、店員さんに確かめて教えてくれました。
タクシーの運転手さんも「もうそこですよ」と言ってくれて一安心。
私は、やっとお店に辿り着いたのです。

カウンターに座っているKBさんをみて、開口一番何を言おうかと思ったのだけど、「ごめん、俺、間違えちゃったかな?」とおおらかな感じで言うので、「いや、2店舗あるのを気づいていて確かめなかった私も悪いから、大丈夫」と仕事マインドで答えてしまいました。仕事のお付き合いでお約束していたら、あの状況なら必ず電話番号を交換して不測の事態に備えたし、お店もどちらか必ず確認しているはず。私は、そんな初歩的なことをプライベートで気が緩んでいたから(?)、やらなかったのです。

一生懸命自分が送ったメールを確認するKBさん。
そして、「あー、ここのお店じゃないところを送ってる。なんでだろう?」と不思議がっています。

それを見ながら、私は「KBさんって天然?」と聞いてしまいました。
すると、大笑いしています。
「そんなことないよ」と言うけれど、「いや、天然だよね」と私もつられて大笑いしながら言ってしまいました。

不思議だけど「天然?」と彼に言ってしまったら、ちょっとイライラした気持ちもどこかへ消えていきました。

まったく、前回もハプニングがありましたが、今回もすんなりいかないものです。まあ、前回のハプニングは私側だけのハプニングですが。
(ご興味あったら「身勝手な私のはなし その3」をお読みください。)

それで、その先は楽しくご飯を食べて、たくさん飲みました。
途中、「この間、教えてくれなかったけれど、どういう人が好きなの? 僕はちゃんと答えたのに」と言われ、「嘘をつかない人」と一言。私にとって、一番大切なことです。

メールで出張していると送ってきていたので、その出張のお土産ということでお菓子をいただきました。KBさんは天然だけど、そういうところは気が付く男の人なのかな。

たくさん食べて、飲んでいる中で色々なことを話しました。自分の気持ちが動く部分もあったし、今のところ何よりまったく気取らずに言いたいことを言えているので、気が楽です。

でも、これって楽しい男友達?という感じなのかも。

KBさんの気持ちを(少し)わかりつつ、なのに自分はこの気持ちを恋なのかどうかはっきりさせないでいるというのは、やっぱり身勝手ですかね......。

でも、楽しいだけでは恋なのかどうかは判断できない気がするのですが…….。それとも楽しければそれで十分、恋の真っ只中にいるということなのでしょうか。

私は私の気持ちがよくわかっていない。
そんな「身勝手な私のはなし」でした。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。




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