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Dr. Carってなに?

最近Dr.Carを題材にしたTVドラマがちらほら出てきているようですが, まだまだ認知度は低いようです.

僕は普段救命医として患者さんの診療にあたっていますが, 週に何回かDr.Car当番をしています.

Dr.Carとは, 緊急で治療介入が必要な重症患者さんにできる限り早く医師を接触させるためのシステムであり, 病院から医師が乗り込む車両のことです.

現場にいる救急隊の方と直接電話でやりとりして, 現場と病院の中間地点で待ち合わせ場所(ドッキングポイント)を設定します.
お互いそのポイントに向かい, 合流したら医師は救急車に乗り込みます.
(現場集合のときもあります)
そして救急車の中で治療をおこないつつ患者さんを病院へ搬送するわけです.

Dr.Carの大きなメリットとしては,
・病院で救急車を待つよりも早く医師が治療介入できること
・病院に患者さんを搬送してから必要な検査や処置へスムーズに移行できる 
ことです.

心筋梗塞や脳梗塞などは発症してから治療するまでの時間をいかに短くできるかが 予後(治療後の経過)を左右すると言っても過言ではなく, このような病気ではDr.Carが大事な役割を担っています.

もちろん, 交通事故や災害などで呼ばれることもしばしばあります.

僕はついこの間, 仕事中に700kgほどの荷物が上から落ちてきて足を挟まれている20代の男性がいるとの通報があり, すぐさまDr. Carに乗り込みました.

いつものことですが, 現場に到着するまでは限られた情報の中でどのような対応をするべきか, 最悪のケースを想定しながら対応をシュミレーションをするわけですが, まだまだ経験が少ない僕は心臓をバクバクさせながら現場に向かっています.

今回現場に着いたときにはすでに救出された状態で, 病院搬送後に一通り検査を行いましたが,  幸いなことに大事には至っておらずその日のうちに帰宅となりました.
普段高齢者をみることが多いためか, 若い人ってほんと丈夫だなぁと感じました.

みなさんの地域の病院でこのDr.Carシステムが採用されているかわかりませんが, もしかしたら普段の日常生活でドッキングしている現場を見かけることがあるかもしれませんね.

そんなときは, 救急車が患者さんをスムーズに病院搬送できるようご協力をお願いします.

それでは, また.
Bye for now!








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